教えて!乳がんのこと 

メイクで笑顔を増やしたい

かづきれいこさんとリハビリメイク

2014/10/05

被災者たちの気持ちを明るく元気づけた

 「リハビリメイクは隠すのではなく、メイクを通して自分の外観を受け入れ、社会に復帰することであり、生活の質(=QOL)を高めることが目標。ヤケドやがんになることは、誰でも起こりうることであり特別なことではなく、それだけでメイクできれいになることをあきらめてしまうのは本当に残念でなりません」。

 これまでに多くのがん患者にもメイクをしてきた。「末期がんのため顔色が悪い患者さんにメイクをさせていただくと、不安そうな顔をしていたお子さんが「お母さん!」って駆け寄ってそばから離れないのです。明るく笑う奥さまを見て、ご主人も涙を流して喜ばれました。

 抗がん剤治療がつらく最初は車いすで訪れたのですが、帰りは元気に歩いて帰られた姿が印象に残っています。リハビリメイクは、ご本人はもちろんのこと、まわりの人まで元気にして、前向きな気持ちにさせる力があるのです」。このようにかづきさんは、メイクを仕事として携われることに喜びを感じられるような貴重な体験を数多くしてきたに違いない。

 老人ホームや刑務所への慰問など全国をかけまわるメイクボランティアは20年たった現在も続けており、それが彼女の活動の原動力にもなっている。東日本大震災の際にも約1カ月後には被災地へ入り、被災者たちの気持ちを明るく元気づけた。

 「目の前に与えられた課題を一つひとつクリアしていくことで進むべき道が開かれてきたような気がします。メイクには、不思議なほど心と体が元気になるパワーがあると実感しています。私は元気で若々しいメイクをめざしています。メイクをさせていただいた後に皆さんから喜びの声を聞くことが、私にとってパワーの源です。私を必要としてくれる人がいる限り、これからも前へ進み続けます」。

 今後もメイクの価値を高めるための活動が続くが、この10月、彼女の夢がまたひとつ実現した。2000年からの「顔と心と体」研究会が、NPO法人、一般社団法人を経て、この度、内閣総理大臣の認定を受け、念願の公益社団法人へと移行。2日から「公益社団法人心と顔と体研究会」として法人名も新たにスタートを切った。

 ※明日からの本連載では読者からの質問に回答していく。

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