東三河データファイル 

信用金庫の強み生かす時代

「TOPインタビュー」(下) 日比嘉男会長/豊川信用金庫

2014/10/08

6月に会長に就任した日比会長

東海日日新聞社運営の新サイト「東三河データファイル」に参画する豊川信用金庫。昨日に引き続き、今年6月に理事長から会長に就任した日比嘉男氏に、今後の同庫の展開などについて聞いた。
※聞き手、東海日日新聞社・白井収社長

人とのつながり大切に地域密着で

—昭和48年、小坂井支店の取り付け騒ぎの現場にいたことはすごいことだと思うが
 確かにものすごい経験をしたと思う。この一件が信金自体のPRの必要性を痛感させただけでなく、機械化を広めるきっかけになったのは皮肉なことだ。

—どういうことか
 それまでは預金した店でしかお金をおろせなかったが、3代目理事長が「これからコンピュータの時代が来る」と、当庫はいち早く機械化を進めていた。全国に先駆け試験的に、どの支店でも預金がおろせるようになった矢先、取り付け騒動が起きた。最初は小坂井支店に人が殺到したが、小坂井でなくてもおろせることが広まると牛久保、諏訪と預金者が各支店に飛び火した。この時、機械化は便利だが同時に恐ろしいことにもつながりかねないと実感。これまで以上に「フェイス・トゥ・フェイス」、対面での営業活動の重要性を認識した。

長年の付き合い 各世代の橋渡しを

—長年やっている中で感じることは
 53年もやっていると、自分の歩んできた道が、そのまま企業の歴史と重なることも多い。起業から2代目、3代目と代替わりする企業をお手伝いするなど、地元企業とは長いお付き合いになることも多々あるが、これこそが都銀や地銀では真似のできない信用金庫のあり方であり、企業と共に歩むことがいかに大切かを実感している。

—初代と2、3代目の違い、昔と今との違いなどあるか
 「あの時助けてもらったから、何があっても一緒に」という義理人情の世界は稀薄になったのかもしれない。ただ、地元での長い付き合いの中で、創業者には創業者、2代目は2代目の思いや苦悩などそれぞれの時代に全力でやってきたのを見ているので、各世代をうまく橋わたしするのも我々の役目だと思っている。

 また、信用金庫でも保険を販売できるように、昔と比べ業務が多角化したオールマイティの時代だからこそ、各々が持つ良さを最大限活用し、さまざまな接点をビジネスマッチングとして、地元企業の発展につなげていくことも重要だと考えている。もちろん最初の接点を作るのは、いつの時代も人と人とのつながりであり、人との信頼関係。今後も、私自身を育ててもらった地元企業、地域とのつながりを大切にしていきたいし、当職員にもその重要性を伝えていくつもりだ。

 愛知県は信用金庫が強い地域と言われるが、東三河構想など広域の考え方が出ている今こそ、信用金庫の時代。システムに関しては全国的にも連携が図られつつあるが、地元でも信金同士が地域のためにひとつになり、切磋琢磨しながら、都銀や地銀にはできない信用金庫の強みを生かした地域密着の展開をすることが必要だ。今後も地域の発展のために尽くしていきたい。

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