東三河データファイル
宮川直樹総支配人/ホテルアークリッシュ豊橋
2015/08/12
宮川直樹総支配人
このほど宿泊予約・クチコミサイトで高評価を得たホテルアークリッシュ豊橋(ガステックサービス=サーラグループ)。昨日に引き続き、宮川直樹総支配人に、同ホテルが目指す姿などについて聞いた。
※聞き手=東海日日新聞社・白井収社長
ー支配人の話を聞いていると今回のサイト高評価は、100弱とはいえ多くの客室を持つ宿泊施設ながら、個を大切にする、顧客に寄り添うサービスが評価されたように感じるが
そうですね。地方都市で生き残るためにできることを地道にやった結果が今回の評価につながったと実感しています。
今後は何が必要かというと、対応のクオリティを上げること。我々が情報を得て能力を上げることで、より成熟したサービス、お客さまのニーズを超えたサービスをすることが必要。教養、文化、芸術なども含め能力を上げていかなければなりません。前回加湿器を入れたから今回も、というハードだけでなく、前回こうだったので、今回はこんな食事をしていただければさらに皆さんが喜んでいただけるのではないか、という提案など。お客さまから求められるサービスだけではなく、広がりのあるかたちで行うサービスの提供、ホテルで過ごす楽しみまでを啓蒙、提案できたらと思っています。
レストランKEIについては、常にどう表現したらいいかと悩んでいて、ここでしかできないクオリティの高い料理を提供しているにもかかわらず、いまいち伝えきれてないと痛感。高いフレンチという評価がつきまとうものの、食事をすることの重要性、人と出会うこの数時間の重要性を伝えていけたら。大切なひとときを演出するのが料理であり、KEIでおいしい料理を食べて過ごす時間が今後の生活に生かされることを実感してもらう人をどんどん増やしていきたいと思います。現在、毎月、旬の食材の生産者めぐりをしていますが、地産地消などホテルのこだわりを出すことで、ただ食べるだけでなく食事をする楽しみを提案しメッセージにのせていきたいです。
ープロポーズのプロデュースもしているそうだがいつから
2、3年前から。ホテル創業当初は良い商品をつくることだけに必死になり走ってきた感がありますが、マーケットの小さな地方ではそれだけでは難しい。しっかりとリピートをとり、まちのインフラにならなければ地域の方々に使っていただけないだろうと、商品だけを売るのではなく思い出を買ってもらうようなことを考えたところ、プロポーズプロデュースのようなアイデアが出てきました。事前にプロポーズする男性と話し合いながら、プロポーズの場所のセッティング、OKの場合の食事にはケーキの用意、喜びの音楽、お祝いの拍手で盛り上げるなど、プロポーズ一連のストーリーをプロデュースしています。出会いからプロポーズ、両家あいさつ、結婚式まで。さらにブライダルクラブを作っており、結婚後も子どもが誕生、入学するなど、アニバーサリーで利用してもらえるようなお客さまと長い付き合いをしていく。このホテルが地方にあるべきアニバーサルホテルになり、地域から必要とされるランドマーク的なホテルとして地域に無くてはならないものになっていければと願っています。
現場にいるととかく収益につながるようなせまい世界で評価され、右往左往しがちですが、とくに昨年あたりから、僕らがもっと広い世界で理解され、評判を上げるために我々自身が出来ることは何かと考えた時に、出てきた答えが、「チームワークで世界一を目指す」です。
ー数年後に10年の節目だが、今後のありたい姿は何か
外国人の個人旅行者が、このホテルをめざして訪れてくれ、そういった人が毎日いるようなグローバルスタンダードを作っていきたいですね。
今後も、ホテルの名前でもある架け橋、人・地域とのつながり、その拠点となる場所として、チームワークではどこにも負けない、心地良いサービスで気持ちよく過ごせるようなホテルを目指していきたいと思います。
http://www.tonichi.net/company/company.php?id=20