難病ALSが残したもの

豊川の元消防司令故小林さんに瑞宝単光章

2021/02/25

 昨年11月に難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)で死去した元豊川市消防本部・消防司令の小林秀典さん(享年59)=為当町=が、このほど瑞宝単光章(死亡叙勲)を受章した。22日自宅で伝達式があり、江向弘消防署長(60)から、小林さんの長女秀美さん(35)=豊橋市=に手渡された。

 冗談好きでいつも元気。誰にでも明るく接していたという小林さん。体調の変化に、同僚や離れて暮らす娘たちが気づいたのは2017年春頃。思うように手が動かせない様子が顕著に見受けられたという。検査の結果、全身の筋肉が動かなくなっていく神経の病気、ALSと診断された。

 「救急救命士の免許を持ち病気の知識があったので、その前から自分の病気はわかっていたのでは。隠してぎりぎりまで仕事をしたと思う」と後輩職員は振り返る。

 小林さんは休職を経て、19年に退職。闘病の末亡くなった。持ち前の明るさを忘れずに。

 小林さんの同期で、今年の春に一緒に定年退職するはずだった江向署長は「救急の最前線で頑張り、それでいて常に笑顔を絶やさない男だった。残念だが、せめて功労が認められて良かった」と話した。

 秀美さんは父親の病気を機に初めてALSについて深く学び、難病患者の介護体制が整っていない現実を実感した。「生前、父と話していた、東三河での難病患者向けの訪問介護の事業を起こしたい」。実現に向けて動き出す計画だという。

 小林さんが残したものは計り知れず大きいかもしれない。

2021/02/25 のニュース

慕われた小林さんへの寄せ書きなど(豊川市の自宅で)

伝達を受ける娘の秀美さん(同)

有料会員募集

東三河学生就職NAVIリクルーティング

連載コーナー

ピックアップ

Copyright © TONICHI NEWS. All rights reserved.