東三河データファイル
今年で創業80周年/個々の可能性広げる人材育成/アーレスティ/高橋新一管理本部長
2018/05/30
高橋新一管理本部長
豊橋に本社を置く東証一部上場のアルミニウムダイカストメーカー「アーレスティ」は、6月で創業80周年を迎える。取締役常務執行役員の高橋新一管理本部長に人材育成や求める人物像などについて聞いた。
―アーレスティの社風を聞かせて下さい
一部上場企業ですが、非常に風通しが良く、自由でオープンな環境にあると思います。私も大手企業に勤めた経験から他社と比べても、社員は誠実で素直なタイプが多いと感じています。できないことは「できない」と言う。上司が受け止めてサポートする雰囲気があります。その一方で、「まずはやってみる」チャレンジ精神を大いに歓迎しています。もし達成できなかった場合でも、周りが補い合う環境にあるのも一つ特長だと思います。
社内にはさまざまなタイプの人材がいます。例えば、今まで話す機会のなかった人と話をする時に越える山があって、それが1センチの人もいれば、富士山並みに高い人もいます。どちらであっても、会社として成り立っているのは、誰かが補い合い、支え合っているからだと思っています。
―人材育成に力を入れられていますね 社員として一人前に育てるために必要なのが、1年間の新人教育システムです。文系、理系の出身にかかわらず、全員が1年間にわたり工場の実習体験をします。製造現場であらゆる職種を経験することで、全体の製造工程や金型、鋳造の基礎知識「アーレスティのものづくり」を理解します。技術的なバックグラウンドを全員が身に付け、自らがものづくりでどの役割を担っていくかを理解したうえで配属することで、自発的かつ積極的に仕事に取り組める環境をつくっています。
配属も「文系だから営業や管理」「理系だから製造」といった固定観念はなく、本人の希望や適性を配慮してベストな職場に配属します。実際に1年間の研修後、技術の習得状況や本人のやる気を考慮に入れ、製造技術へ進む文系出身者もいます。
―どんな人物像を求めていますか
やりきる力のある人。勉強に限らず部活やサークル活動など1つのことに打ち込んだことがあれば、さまざまな工夫や必死になった経験を数多く持っています。
もう一つは学習意欲のある人。大学を卒業したら勉強が終わりではなく、社会人になっても学ぶことは山ほどあります。新人社員研修のみならず、各種の研修、さらには社員自らが職務で必要なスキルや興味のある知識を習得できる「アーレスティ学園」という社内教育制度があります。新しい知識をさまざまなことに生かしたいという意欲のある人が好ましいですね。
―創業80周年の節目として今後は
アルミニウムによる自動車の軽量化を主力として、モビリティーという分野では海外でも市場の可能性が広がっています。海外拠点があり、アルミニウムダイカストの豊富な技術を持っているので、まだまだアプローチができる部分はあると思っています。今後も若いみなさんと一緒に企業としても成長していきたいですね。