連携広がる障害者と農業

米や果樹づくりで東三河の福祉施設/よみがえる休耕田 就労支援にも

2018/07/27

 農業の担い手に―。障害者が職員と協力して米や果樹づくりに取り組む福祉施設が東三河で広がっている。借りた休耕田で農作業に携わり、田畑によみがえらせた。取り組みは始まったばかりだ。軌道に乗れば農業分野へ進出を狙っている施設もある。

 米作り2年目を迎えた豊川市平尾町の障害者支援施設「シンシア豊川」が6月9日、近くの水田約20アールで田植えを行った。入所する障害者15人の農作業班が、職員やボランティアとともに自然栽培米の苗を1人約10本手植えした。その後、苗の成長を妨げるタニシを駆除し、あぜの草取りを行うなど農作業に汗を流している。

 シンシア豊川は、「休耕田を田畑によみがえらせよう」と豊田市の福祉組織が障害者と就農を結び付ける取り組みに賛同し、昨年から米作りを始めた。休耕田約10アールを借り、職員が福祉組織の指導を受け、約300キロを収穫した。今年はさらに約10アールを借り、面積が2倍に増えた。

 米作りは一切、農薬や肥料を使わない。土壌づくりから雑草を抜く作業、水の管理まで職員や協力してくれる地元住民らがまだまだ中心だ。

 農作業班は20代~60代。1997年ごろから季節野菜を栽培し、施設内で一般に販売している。米作りが加わったことで収益が上がり、毎月の工賃が約500円から約5000円にはね上がった障害者もいる。

 シンシアによると、部屋に閉じこもりがちの障害者がやる気を出し、積極的に仕事を求めて動くようになったという。

 農作業担当の田村真美子さんは「障害者の個々の能力が発揮できれば農業の就労支援につながる。農地もさらに増やしていきたい」と意欲十分だ。

 豊橋市野依町の障害福祉サービス事業所「明日香」でも、同様に2年前から借りた休耕田約15㌃で通所する障害者5人の農作業班が職員らと米作りに取り組んでいる。施設側は「携わる障害者を増やし、収穫量を高めたい」と話した。

 また、石巻町の生活介護事業所「奏楽」(そうら)では、通所する障害者14人の軽作業班が職員とともに借りた休耕田を畑に整備し、約1・5㌶にブルーベリーと柿などを作っている。栽培面積は農業に力を入れ始めた3年前と比べ5倍に広がった。収穫量も増え、障害者の工賃も2倍以上に上がった。

 今年から一部でブルーベリ―狩りを行っている。施設側では「障害者と力を合わせ、生産力のアップを目指す」と語った。

 豊田市の福祉団体は、農福連携自然栽培パーティ全国協議会。2016年4月に設立。障害者施設と協力して、無農薬、無肥料で休耕田を田畑によみがえらせ、農業の担い手を目指す。3月末現在で全国で76施設が賛同している。

2018/07/27 のニュース

障害者や職員、ボランティアと一緒に行われた田植え(提供)

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