桜の季節 

最後に「咲」く

第4章 93回

2020/12/20

3年生が最後の大舞台に挑む

 開幕直前。コロナ禍で開催される異例尽くし、最初から最後まで気の抜けない過酷なウインターカップ。次の連載ではどんな言葉を記すことになるのか。期待と不安が入り混じる複雑な感情が頭の中をグルグルと回り続けている。

 先日、桜丘へ取材に行くと江崎悟監督が「このメンバーがここまで来るとは」と、何とも言えない表情で選手たちを見ていた。今年1月、新チームで出場したニューイヤーカップで飛龍と福島東稜に完敗し、新人戦では中部大第一にコテンパンにやられた。

 当時の取材ノートを読み返すと、選手個々の能力は高いと考えていただけに、予想以上に期待外れでチームとして機能していないことへの失望感が書き殴ってあった。春休み頃からコロナ禍で大会中止が相次ぎ、ほとんどチームの姿を見ることはなく時間だけが過ぎて夏休みが終わった。

 不思議なのは、このチームがいつ頃から『戦える』集団になったのかが分からない。ひとつ言えるのは、野澤登真主将を中心に3年生が1、2年生を支え続けてきたこと。岩崎カイオや杉浦太紀、最近ではリバスもチームのためにプレーする気持ちを感じる。それは、白井晧大と飯田紫乃のマネジャー2人も同じだ。

 大舞台で活躍しない学年のことを「谷間の世代」と呼ばれる。彼らが1年生だった2年前は桜丘史上最高の選手がいた。彼らが3年生となった今のチームは、期待の1・2年生が主力を担っている。

 コロナ禍で今夏のインターハイが中止となり、ウインターカップ開催が正式に決定するまでは、彼らが表舞台に立つことなく高校生活を終えるかもしれないと思っていた。

だから、最後は笑顔で。

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