絶滅危惧種 アカモズ飼育下で初産卵

のんほいパークなど研究グループ 世界初の事例/試験放鳥も―来年は営巣や抱卵目指す

2026/10/08

試験的に野生に放されたアカモズ(人間環境大学岡久研究室提供)

 豊橋総合動植物公園(のんほいパーク)などの研究グループは7日、飼育下のアカモズで初めての産卵を確認したと発表した。人工的に育てた個体を野生に放す試みも実施していて、同園はこれらの成果について絶滅の危機にあるこの鳥の保全活動で重要な前進と位置付けている。

 同園は、国内の複数の大学などとアカモズの保全に向けた共同研究に2023年から取り組んでいる。同年には保護した卵をふ化させた上でヒナを育てる「人工育雛(いくすう)」に世界で初めて成功した。

 発表によると、24年に同園で人工育雛した雌1羽が、今年7月に4個の卵を産んだ。いずれも無精卵で孵化(ふか)はしなかったが、飼育下にあるアカモズの産卵は世界初の事例だという。

 人工育雛によって育ったアカモズの繁殖能力の有無は不明だったが、発情も確認できたことで繁殖技術の確立に向けた研究の方向性は「間違っていなかった」と同園の木谷良平獣医師は強調する。来年には改めてペアリングに挑戦し、営巣や抱卵を目指すという。

 今年8月には、人工育雛を経て餌を取ったり外敵から逃げたりする訓練を施した4羽のうち1羽を、共同研究を行っている人間環境大(岡崎市)や長野アカモズ保全研究グループ、信州大が長野県内で野生に放した。放鳥後は自力で餌を取り、もとから地域に生息するアカモズと一緒に行動する姿が見られたという。

 木谷獣医師は「動物園で繁殖させたアカモズを長野県で放すという目標を少し前進させることができた」と指摘。「この活動を続け、保全を進めていきたい」と話した。

 アジアに広く分布しているアカモズのうち、絶滅危惧種の亜種は日本で繁殖し、東南アジアで越冬する渡り鳥。同園によると、国内にある限られた生息地のうち長野県内で確認されたつがいは昨年の43組から今年は30組に減少し、危機的な状況にあるという。

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