以前もトキソウやサギソウなど持ち去られ…/白いハルリンドウも被害/毎日見回りも広さがアダに…監視カメラも非現実的
2026/04/23

ハルリンドウが盗掘された現場(豊橋市提供)
国の天然記念物「葦毛(いもう)湿原」(豊橋市岩崎町)で、ハルリンドウが盗掘されているのが見つかった。これまでにも同湿原からは貴重な植物が何度も持ち去られていて、市は度重なる被害に苦慮している。
市文化財センターによると、今月12日に同湿原を訪れた贄(にえ)元洋学芸員が、自生しているハルリンドウのうち白色の3株と紫色の2株の少なくとも計5株がなくなっていることに気付いた。
現場は木道から1メートルほど離れた場所で、3~5センチ四方に地面をくりぬいた跡があった。今月6日に同じ地点を撮影した写真にはハルリンドウが写っていた。通常は紫色の花が咲くのが一般的で白色のハルリンドウは極めて珍しく、盗んだ人物は希少な白色を特に狙った可能性があるという。
同湿原から植物を持ち去る行為は、文化財保護法に抵触する。同センターは豊橋署に被害届を提出した。
同湿原では以前にもトキソウやサギソウ、コオニユリなど貴重な植物がたびたび盗掘被害に遭ってきた。そのたびに市は警察に被害届を出し、注意看板を取り付け植物を持ち去らないよう呼びかけてきた。
調査員や保護団体関係者らが毎日のように見回っているものの、24時間いつでも出入りできる湿原で犯行の瞬間を特定することは難しい。広大なため、監視カメラの設置も現実的ではないという。
贄さんは「葦毛湿原は個人のものではなく市民の共有財産だ。個人の欲望で植物を持っていくのは恥ずかしいことなのでやめてほしい」と訴えている。