豊橋市の実行委が19日にオープンファーム開催
2023/11/14
「個性派5農家」が「一日スーパー」を開業する元すし店(豊川市金沢町で)
「個性派の5農家」による「一日食品スーパー」、規格外の農産物でつくった加工品の販売業者と農家のタッグ、JAの参入も―。農場を巡って農産物などのショッピングを楽しむ「オープンファーム」(OF)が19日、東三河の各農場を中心に開かれ、バラエティーに富んだ生産者らが多く参加する。前回の6月は台風に伴う集中豪雨の直後にもかかわらず、来場者は前々回と同じ最多の延べ約3500人だった。主催する豊橋市のOF実行委員会は「天候に恵まれれば最多を更新するのでは」と期待を寄せる。
■こだわり農産物
個性派の5農家は、豊川市金沢町の元すし店を借りて一日食品スーパーを開業する。市内からは友人らと荒れた休耕地を畑に再生した「あおば農園」や減農薬に取り組む「ハートヘルスファーム」、有機農法に力を注ぐ「ももぱぱのやさい畑」が参加し、豊橋市から6次産業化にも積極的な「原田農園」、田原市から地元米を「えいこ米」として売り込む「かわいファーム」が加わる。
店内には、ダイコンやニンジン、コマツナのほか、古代米、カボチャ、ホウレンソウ、ズッキーニ、オクラ、ヤマイモ、次郎柿の加工品、新米、米粉など50種類以上が並ぶ予定。
参加を呼びかけたあおば農園は、他に近くの畑でダイコンの収穫体験も行う。代表の酒井美代子さんは「こだわりの野菜や加工品などを味わってもらいたい」と来場を呼びかける。
異色の存在が田原市赤羽根町の加工品販売の「雅風」。市内の「森のキャビア」と呼ばれるフィンガーライムを生産する「FingerLimeBase」に働きかけて初参加する。加工施設で農家から提供を受けた規格外の野菜、フルーツでつくった加工品の販売や地元食材を使ってスイーツ教室を開くほか、フィンガーライムなども販売する予定だ。キッチンカーも駆け付ける。
豊橋市豊清町では、干しイモ製造販売の「サンアグリフーズ」が中心となり豊川市の「佐藤海苔」に、新たに生産者である豊橋市の「ラグランファーム」や田原市の「ten」、JA豊橋グリーンセンター磯辺を加えてマルシェをつくり直売する。多くのキッチンカーが出る。
■拠点化広がる
OFは2020年11月以来、これで6回目。参加する生産者は東三河が37、尾張・西三河が6の計43。前回と比べ11減ったが、東三河は同じだった。しかし、複数の生産者が同じ場所に「出店」する拠点化は前回の6から12に増えた。後援は東海農政局と県、豊橋市、豊川市に新たに田原市が加わった。
OF実行委の伴和樹事務局長は「生産者が工夫して来場者を呼び込もうという意欲が高まっており、来場者はたくさんの農園を回ってほしい」と話した。