表浜海岸で高校生に自然教育

「堆砂垣」作り通し砂浜のこと実地で学ぶ/豊橋

2024/03/23

堆砂垣を作る桜丘高生物部の生徒ら(東七根海岸で)

 豊橋市南部の太平洋を望む表浜海岸で、地元の高校生が「堆砂垣」(たいさがき)作りを通して自然学習に取り組んでいる。砂浜のことを実地に学べる貴重な体験になっており、関係者は環境問題に関心が高まればと期待を寄せている。

 堆砂垣とは風で飛んできた砂を受け止め、砂丘の形成を促す垣根のこと。海岸保全を目指し、砂浜がやせ細っている各地の海岸で設置が進んでいる。

 表浜海岸の保全活動に取り組むNPO法人「表浜ネットワーク」は、生き物にとっても大切な砂浜のことを知ってもらおうと堆砂垣作り体験を企画した。桜丘高校生物部が昨年に続き参加した。部員9人が16日、辺りに落ちている流木を拾い集め、4基の堆砂垣を作った。

 この春に卒業し名古屋大学に進学する伊藤孝晟さん(19)は「どうやって堆砂垣を組み立てるのかに頭を使った。活動に参加し、みんなで努力し、やりがいを感じた」と感想を話した。環境問題に関心があるという。

 「おとなしく、まじめな子ほどスマートフォンの世界に入り込んでいる」。引率した鈴木順久教諭は、若い世代で自然に触れる機会が減っているとして現状を憂う。「いろんなことを肌で感じて、遊び心で環境保全につながるのなら最高だ」と、同海岸でのフィールドワークに意義を見出す。

 同NPOの田中美奈子事務局長は「自然の中に身を置き、現場で感じてほしい」と環境意識啓発への思いを語った。

 海岸法に基づく海岸協力団体に指定されている同NPOは、20年以上前から子ども向けだけでなく社会貢献に積極的な企業の活動にも協力して、堆砂垣を設置してきた実績があるという。

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