「さようなら」と「ありがとう」

田峯小150年の歴史に幕、設楽町が閉校式

2024/03/23

木造校舎の前で記念撮影をする出席者ら(設楽町で)

 児童減少により新年度から別の小学校と統合される設楽町立田峯小学校で22日、閉校式があった。150年の歴史を誇る同小では子ども歌舞伎の練習などを通じ、住民が支える地区ぐるみの教育活動が伝統だった。式では、今年度の卒業生を含む児童5人が「さようなら田峯小、ありがとう田峯小」と声を合わせ、学びやに別れを告げた。

 町と町教育委員会が主催し、保護者や住民代表らが参加。大須賀宏明教育長は、あいさつの中で「保護者の皆さんが苦渋の選択を決断され、地域の皆さんもその意向を尊重してくれた」と閉校決定の経緯に触れつつ、「子どもたちと一緒に田峯地区をずっと守っていってください。一生懸命応援します」と強調した。

 父母教師会の竹下福芳(とみよし)会長は、記念誌編集などの閉校記念事業に多くの同窓生らが関わったと紹介。「素晴らしい先輩方がいると実感した。閉校しても私たちが伝統を受け継ぎ、次の世代へつなげていく」と力強く語った。

 村松敦雄校長は「歌舞伎では地域の方々が先生となり、靴をそろえることまで教えてくれた。地域で子どもたちが育つことの価値を学ばせてもらった」と振り返った。

 同小は1873年(明治6)年に開校し、かつての分校を含め約1500人の卒業生を送り出した。1927年に建った木造平屋建ての校舎2棟は、国の登録有形文化財となっている。

 児童は1945年度に最多の178人が在籍したが、2020年度以降は1桁が続いた。4月からバスで田口小へ通うことになる。

大須賀教育長㊧に校旗を返納する村松校長(同)

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