蒲郡図書館/検索サイトの利用者の質問・回答で多数登録
2024/04/25
国会図書館長から届いた礼状と三浦さん(右端)ら職員の皆さん=蒲郡市立図書館で
「おやじギャグと駄じゃれの違いとは?」。検索サイトで調べてもなかなか答えにたどり着けない、または信頼性に欠ける―。そんなときこそ図書館の出番だ。蒲郡市立図書館は、そのような利用者からの質問に対する回答をデータベースに数多く登録したとして、国立国会図書館長から12年連続で「礼状」を贈られた。
国会図書館が運営するインターネット上の検索サービス「レファレンス協同データベース」(レファ協)には、全国の図書館926館が参加し、各館に寄せられた質問に対する16万件余りの回答が登録されている。
蒲郡は事例数や閲覧数など3項目で上位となり、全国で8館のみが対象のトリプル評価は4年連続の受賞となった。
これまでに登録した事例のうち、「野球の完全試合とノーヒットノーランの違いを知りたい」は10年以上前の回答だが、アクセス数はいまだに年間の上位に入る。ほか「中旬とは何日から何日のことを指すのか」「パラリンピックが目指すもの」にも多くの反響があった。
指定管理者制度で蒲郡図書館を運営するNPO法人ブックパートナーは、年間70件を目標に事例を登録しているという。司書の三浦佳穂さん(45)は「ネットで見た情報だけで満足するのは危険。調べ学習の基本を子どものうちから身に付けてほしい。図書館やレファ協を活用してもらえれば」と話す。
なお「おやじギャグ」の事例は、小学1年生の男の子が来館し、駄じゃれに関する本を探していたことがきっかけだという。本来の洒落(しゃれ)と比較しながら、回答までのプロセスを開示したところ、X(旧ツイッター)のレファ協アカウントでも注目された。