27年度から「みなし上下分離方式」採用/国の再構築事業適用目指す/蒲郡・西尾両市長が会見で方針
2025/03/20
方針が決まり、抱負を述べる鈴木市長(西尾市役所で)
赤字が続く名鉄西尾・蒲郡線(西蒲線)は、蒲郡線区間で2027年度から「みなし上下分離方式」を採用することで存続への道筋をつけた。国の補助制度を活用し、沿線の蒲郡、西尾両市が維持管理費を負担することで長期的な運行継続が可能になる。両市長が19日、西尾市役所で会見し、方針を示した。
鈴木寿明蒲郡市長は「鉄道は移動手段だけでなく市民の生活の基盤だ。安心して暮らせる蒲郡を未来に残す」と抱負を述べた。
不採算路線に対して国が財政支援を行う「再構築事業」の適用を目指して、両市や名鉄などでつくる対策協議会が来年度、実施計画を策定する。
みなし分離の対象は蒲郡線の吉良吉田(西尾市)―蒲郡駅間。運行は15年間を基本とし、自治体の負担分は、両市合わせて年間4億~4億5000万円ほどになる見通しだという。これまでは両市で年2億5000万円を支援することで運行を続けてきた。
「上下分離」は「上」に当たる列車の運行を鉄道会社が担い、「下」の線路や土地などの鉄道資産を自治体が保有する仕組みだが、「みなし上下分離」は、自治体が鉄道資産を保有せず、維持管理費を負担することで、実質的に上下分離と同じ効果を実現する。