旧豊橋球場発掘調査めぐり協議の考え示す
2025/03/20
多くの遺構が確認されたグラウンドの発掘現場(旧豊橋球場で、今年1月撮影)
多目的屋内施設(新アリーナ)計画に伴い豊橋公園の旧豊橋球場で行われてきた発掘調査をめぐり、市は19日の市議会予算特別委員会で、業務委託業者との変更契約に今後対応し、必要に応じて損失補償についても協議する考えを示した。
小林憲生委員(自民)の質問に答えた。答弁で市美術博物館の岡田亘世館長は2025年度の予算編成を、発掘調査業務の内容変更に伴う影響を想定、検討した上で行ったとし「変更契約については今後対応する」と述べた。
契約の解除・変更に伴う損失補償・損害賠償への対応も問われ、岡田館長は「損失補償に関することは必要に応じて今後、受託事業者と協議していく」とした。
市は、豊橋球場を三河湾沿岸の総合スポーツ公園南側に移設した上で、その跡地に新アリーナを建設する計画だった。昨年4月から球場の利用を中止し、グラウンドで発掘調査を実施。江戸時代の武家屋敷などの遺構が多数出土した。
一方、同11月に新アリーナ計画反対を公約に掲げた長坂尚登市長が就任し、現在は計画中止に向けた手続きが進めれている。
美術博物館によると、契約では球場を解体した上で範囲を広げて今年9月までかけて調査を行う予定だった。現時点で解体工事は未着手で、これ以上は発掘できない状態。一方、グラウンドは安全対策や遺構保護のため埋め戻し作業が行われている。