部の歴史つないだ黒田凪 有終の美/連合チームならではの絆 井澤監督も感謝
2025/06/30
5回に登板する黒田と三塁を守る尾方(豊田球場で)
高校野球愛知大会は29日、他校との連合で出場した御津あおばが豊田球場で一宮工科に4―14で敗れた。一時は部員1人になりながら部の歴史をつないだ黒田凪(3年)は好プレーを見せ、夏の初登板も果たし有終の美を飾った。
一色、内海、武豊との合同で臨んだ御津あおば。初回に先制し、3回には3―1と一時逆転。しかし悪送球やカバー遅れなど守備でミスが重なり、5回で10点差をつけられ初戦敗退となった。
5番右翼でスタメン出場した黒田は無安打に終わり、5回に3番手で登板も相手の勢いを止められなかった。それでも1回のピンチでは右中間に落ちそうな打球をダイビングキャッチ。好プレーでチームを盛り立てた。「最後に投げられたし、楽しかった。改めて野球を辞めないで良かったと思います」と振り返った。
新型コロナウイルス禍などの影響で部員数が減り、黒田が1年次はたった一人に。他の運動部員や女子生徒を誘って練習を続け、公式戦には連合チームで出場してきた。井澤和史監督は「黒田が辞めていたら廃部になっていたかもしれない」と話す。他校の選手には「このチームでやらせてもらえて、選手たちは本当に幸せでした」と涙ながらに感謝した。
今春入部した1年生3人のうちの1人で、7番三塁で出場した尾方爽太は守りのミスが失点に絡んだが、4回には送りバントを決めた。後輩らに夏の初勝利を託し、引退する黒田は「連合チームならではの仲間とのつながりを、これからも大事にしていきたい」と話した。