2025（令和7）年
12月6日 土曜日
帝国ＤＢ名古屋支店が東海企業 最低賃金実態調査／政府目標「達成可能」４社に１社／消費効果「ない」の回答が半数に
2025/12/06
最低時給１５００円の業種別達成見通し（帝国データバンク調べ）
東海４県の企業を対象とした９月の最低賃金に関する実態調査で、従業員採用時の最低時給の平均が１１７８円となり、前回調査（２０２４年９月）から９円上昇したことが、帝国データバンク名古屋支店のまとめで分かった。
しかし、全国平均の１２０５円を27円下回り、前回調査で全国を上回っていた状況から賃上げの伸び悩みが見られる。愛知県の最低賃金は前回から８円上昇し１２１６円だった。
業界別では、金融が１２６５円でトップで、建設（１２５１円）、サービス（１２１７円）が続いた。
政府が目標とする29年までの最低時給１５００円以上の達成について尋ねたところ、「既に１５００円以上」と「可能だと思う」を合わせた「達成可能」は25・２％にとどまり、４社に１社の水準となった。40・５％は「可能だと思わない」と回答しており、企業経営の面から目標達成は厳しい見通し。特に小売は「達成可能」が14・６％と低く、「可能だと思わない」が58・３％と最多だった。
また、最低賃金の引き上げが今後の消費回復に効果があるかという問いに対し、51・０％が「ない」と回答し、「ある」とした12・０％を大きく上回った。これは、社会保障や税金による手取り収入の伸び悩みや、将来不安などから、最低賃金改定だけでは消費回復につながりにくいという企業側の悲観的な見方が反映された形だと、帝国データバンクは分析している。
最低時給１５００円の業種別達成見通し（帝国データバンク調べ）
