豊川用水渇水期支えた水のリレー

豊根・東栄の2頭首工/宇連ダム取水量の8割補う/浮かび上がる北設楽地域の重要性

2026/07/05

頭首工とダムの関係(水資源機構の資料を一部加工)

 4月末まで8カ月続いた東三河の渇水期に、新城市の宇連ダムから豊川用水へ供給した水量(取水量)の8割に当たる水が、豊根村と東栄町の河川から同ダムに送られていたことが、水資源機構への取材で分かった。下流域の暮らしを支える水源地として、北設楽地域の重要性が浮かび上がった。

 宇連ダムにたまる水は、周辺で降って流入する雨だけではない。山を隔てて流れる2本の川の水が、頭首工と呼ばれる堰と地下の導水路を通じて、リレーのたすきをつなぐように取り込まれている。

 豊根村では大入川が「大入頭首工」でせき止められ、水の一部が東栄町の大千瀬川支流までトンネルで送られる。その大千瀬川の水は、町内の「振草頭首工」から同ダムへと振り向けられる。

 いずれも天竜川水系の河川だが、1968年に豊川用水が通水した当初から使われてきた枠組みだ。山中に掘られたトンネル2本の延長は、合わせて約8・6キロに及ぶ。

 水資源機構豊川用水総合管理所によると、昨年8月29日~今年4月28日の渇水期(243日)に大入頭首工は47日間、振草頭首工は53日間稼働。宇連ダムに送られた水量は約1930万トンに上った。

 同ダムの有効貯水量は2842万トンなので、満水時の3分の2に相当する量を両町村から取り込んだわけだ。

 一方、渇水期に同ダムから豊川用水へ供給した水量は約2370万トンだった。その81%に当たる量が、両町村の水で補われていたことになる。

 ◆水源地に注目を
 総合管理所の上野英二副所長は「許される範囲で最大限の量を宇連ダムに引き込んだ。ダムの貯水率が3月にゼロとなった後に急回復したのも、豊根、東栄の水の恩恵があったからだ」と振り返る。

 二つの頭首工はダムという主役の陰に隠れがちだが、上野副所長は「もっと水源地にスポットライトが当たるといい」と話している。

大入頭首工。左奥が上流(5月、豊根村で)

振草頭首工。対岸の取水口が宇連ダムにつながっている(4月、東栄町で)

豊川用水の渇水 

 豊川用水はもともと水源が十分ではなく、毎年のように何らかの節水が実施されていた。渇水の頻度が減ったのは、大島ダムが2001年に完成するなど施設が増強されてからのことだ。

 そんな中、昨年4~5月には前年末から続いた少雨により、6年ぶりの節水を実施。いったん解除されたものの同8月末に再び節水が始まり、今年4月末まで続いた。

 3月17日には宇連ダムの貯水率が0%を記録。ダム湖の底にたまった水をポンプでくみ出す、矢作川からの水を蒲郡市内に供給するなどの緊急対策が講じられた。

2026/07/05 のニュース

頭首工とダムの関係(水資源機構の資料を一部加工)

大入頭首工。左奥が上流(5月、豊根村で)

振草頭首工。対岸の取水口が宇連ダムにつながっている(4月、東栄町で)

有料会員募集

今日の誌面

有料会員募集

東日旗

リクルーティング

高校生のための東三河企業情報サイト

連載コーナー

ピックアップ

Copyright © TONICHI NEWS. All rights reserved.

PAGE TOP