「チーム医療」で応える渥美半島の基幹病院

【乳がん検診・治療が受けられる医療機関】愛知県厚生農業協同組合連合会渥美病院

2014/10/23

師、看護師、リハビリ技師らで、月１回リハビリカンファレンスを開催

　ＪＡ愛知厚生連が運営する田原市で唯一の総合病院。渥美半島の地域医療における基幹病院の役割を果たしている。

　乳がん治療においては、外科部長の古池真也医師と田上鑛一郎医師を中心に５人の医師が担当。月に一度、医師と看護師、診療放射線技師や臨床検査技師らが集まって症例カンファレンスを行い、気になった症例を話し合うなかで乳がん治療のスキルアップを図る。

　さらに、言語聴覚士、作業療法士、理学療法士と、医師や看護師ら総勢10人が、がんリハビリ研修を受け、６月から、がんリハビリテーションをスタートさせた。連携を強めるため、がんリハビリカンファレンスを実施するなど積極的に取り組んでいる。

　「これまでがんにおけるリハビリは重要視されていなかったが、医療水準が上がったことで療養生活が長くなり、リハビリへの期待が高まった。患者さんたちが体力を落とすことなく日常生活を送ることが求められ、こうした要望に応えていきたい」と作業療法士の井上武明さん。スタートして間もないが、すでにＱＯＬ（生活の質）の改善に効果が得られている。

　同院の乳がん治療は、乳がんの標準治療を行い、検査から治療まで確かな医療サービスの提供をめざし、「がんとともに生活する」ためのサポートにも力を入れている。

　乳がん看護においては、県内で５人、全国でも２４５人しかいない乳がん看護認定看護師の村田美恵子さんが中心になり、スタッフ一丸となって取り組んでいる。

　同院にとって村田さんが果たす役割は大きく、告知時には、不安な患者に付き添う。毎週金曜の乳腺外来も必要時には対応。治療選択のサポート、症状緩和、副作用に対するケア、安全管理まで行っている。村田さんは、｢患者さん一人ひとりが今必要としていることをサポートしたい」と話す。

　マンモグラフィ検診は３人の女性診療放射線技師が行っている。うち２人がマンモグラフィ検診精度管理中央委員会の技術Ａ判定を持つ。「マンモグラフィは痛いと不安に思う患者さんが多いが、お話を伺いながら、不安を取り除くように心がけている」と滝川尚代技師。｢スポット撮影」における判断力に優れ、患者の負担減につなげている。

　乳腺エコーを担当する臨床検査技師は６人で、そのうち４人が超音波検査士（体表臓器）を取得している。互いに情報を交換し合い、撮影場所の絞り込みをすることで、より精度の高い検査をめざす。

　マンモグラフィ検診を踏まえ、医師の判断で行う乳房組織診断では、バコラを使った吸引式組織生検を採用し、小さな傷あとで、より確実な診断を行っている。

　化学療法室では、乳がん看護認定看護師の村田さんとがん性疼痛看護認定看護師の楠泰臣さんの２人が常駐し、抗がん剤治療を行うあらゆるがん患者に対応している。検診、診療、手術まで担当する古池真也医師やがん専門薬剤師の藤井友和さんとコミュニケーションを取り、スムーズに治療が進められている。

　院内に設けられた健康管理センターでは、地域の予防医療に力を注ぎ、元気に健康に暮らすためにはまずは検診からと、呼びかけている。

チームで力を発揮する臨床検査科

乳がん看護認定看護師の村田美恵子さん

月１回症例検討会を行い、スキルを高める

適切ながん治療を提供しリハビリにも積極的◎古池真也先生

　手術、抗がん剤、放射線治療などから、患者さんに合わせた適切ながん治療を提供し、診断から治療、終末期医療まで、サポートも万全です。リハビリについては、この春、医師、看護師、リハビリ技師ら10人が研修を受け、チームで提供するがんリハビリを始めました。また当院には、全国でも珍しい乳がん看護認定看護師も常駐していますので気軽にご相談ください。気になる症状があればすぐに外科を受診するようにしましょう。