東三河データファイル
「わが社のトピックス」/ヤマサちくわ
2014/11/13
すり身の付け方を教える佐藤社長
東海日日新聞社運営の「東三河データファイル」に参画しているヤマサちくわ(佐藤元英社長)。本面では今年度から同社が始めたちくわ教室出前授業を紹介する。
同出前授業は佐藤元英社長と、同社長と親交のある設楽町立田口小学校校長との雑談から生まれた。昨年、試験的に同小学校で行ったところ子どもたちや学校側からも好評だったので今春から本格的に開催することを決めた。今年度は豊橋市内の沿岸部や北部地域の小学校を中心に、西尾、豊根など全11回予定。豊橋市内の小学校は同市教育委員会を通じて、出前講座として行っている。
本社工場(同市下地町)は長年、近隣の小学校を中心に工場見学を受け入れているが、遠方の小学校は移動手段や時間の捻出といった点で同工場での見学が難しかったが、これにより遠方の子どもたちにも地場産業にふれる機会が与えられることとなった。
同授業には佐藤社長自らが出向く。「本物のちくわの味を知ってもらいたい。ちくわが地場産業に育つ過程を知ることで地元への知識と興味を持ってもらえれば」と同社長は話す。
同授業は講義と体験の2部制。スライドを使いながらちくわの作り方やちくわが豊橋の地場産業に成長する過程を東三河の歴史とからめて紹介した後、子どもたちはちくわ作り体験、試食をする。
4日に細谷小学校で行った同授業には3、4年生全44人が参加。「今ではちくわと言えばこの焼き方だが、両端を焼かずに白くしたのは他地域と見分けがつくようにするためで、ヤマサが初めて」など同社長の言葉に驚く子どもたち。楽しい1時間の授業後はちくわ作りに挑戦した。
1人前のすり身を団子状にして竹の棒に巻き付けるが、いびつな形になったり、真ん中にうまく巻けなかったりと子どもたちは悪戦苦闘。表面にみりんを塗り炭火で焼けば、焦げ目多めや丸っこいものなど個性豊かなちくわが出来上がった。
当日は同社の若手社員5人がすり身の練りや炭火の準備、流し台の片付けをするなど手伝った。
準備もひと苦労だが「みんながおいしそうに食べる姿を見るのは逆に我々の励みにもなる」と同社長もほほえむ。アツアツのちくわを手に「出来たてはおいしい」、「いつも食べているものより魚の味がする」と言いながらちくわにかぶりつく子どもたちの笑顔が光っていた。