外国人児童の将来のために

楽しみながら日本語学習/アプリを使って絵本作りに挑戦/豊橋市内の図書館がワークショップ

2019/02/16

 外国人が増えている豊橋市で、市中央図書館(伊藤孝良館長)など市内の図書館が、外国人児童を対象にアプリを使って絵本をつくる出前ワークショップを開いている。日本語も覚えられ、「楽しい」と参加する児童が増えており、好評だ。こうした取り組みは全国的に珍しく、来年度も継続していく予定だ。

 このワークショップでは、絵本作成型のタブレット用アプリを用いている。簡単なクリック操作で、様々なアイテムを並べて物語をつくり、プリンターで印刷して絵本が簡単に仕上がる。物語に音声を吹き込んだり、テレビにつなげて、家族や友人と自宅で上映して鑑賞したりできる。日本語を楽しみながら学べる格好のツールとなっている。

 中岩田の岩田住宅で3日午前、ワークショップがあった。参加したフィリピン出身で岩田小4年のカンバオ・ルティさん(9)は日本での生活が7年になる。アプリで「3月に生まれる赤ちゃん」という絵本を作った。母が出産を控え、妹が新たに家族に加わる喜びを、太陽や満開の花などを絵本に詰め込み、表した。「キャラクターを自由に入れて作れるのが楽しい」と喜んでいた。

 3日午後には牟呂町の西部住宅の集会場でワークショップがあった。「四季がある日本が好き」と話す汐田小2年のカンド・アリッサさん(8)も、フィリピン出身だ。4年前に日本に来た。「うみにあそびにいく」とのタイトルで絵本を作った。「細かく設定して作れるのが楽しい」と笑顔を見せた。

 ワークショップは、外国人が多く住む地域でこれまでに6回開いた。回数を重ねるごとに参加者は増えつつある。年度内に2回開く予定だ。

 絵本作成のアプリを提供し、アプリ用のキッズコンテンツの企画・制作を手掛ける「グッド・グリーフ」(神戸市)の朝倉民枝さんは「子どもたちが楽しいと思いながら、日本の文化に親しんでほしい」と期待を寄せる。

 伊藤館長は「日本語と母国語の懸け橋に絵本が役立てば。少しずつでも根付いていけばいいと思う」と語った。

 市によると、市内の小中学校の外国出身の児童、生徒は年々増え続け、昨年1月時点で1740人。高校進学率が約96%を占めるが、日本語を理解できないまま学習が遅れ、中退を余儀なくされる場合もあるという。

 アプリを使っての絵本づくりは、文部科学省に提案して実現した事業計画「地域の教育資源を活用した教育格差解消プラン」の一つ。

 担当職員は「ワークショップの回数を重ねることで子どもたちの日本語が上達すればうれしい」と話した。

2019/02/16 のニュース

カンド・アリッサさんを指導する伊藤館長㊨

作った絵本を見せるカンバオ・ルティさん

タブレット用アプリで作成した絵本

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