海中ワイヤレス給電実験公開

豊橋技科大研究チーム/養殖効率化や海中常駐ドローン実現へ大きな一歩

2021/06/27

 海水中でワイヤレス給電を行う実験に成功した、豊橋技術科学大学電気・電子情報工学系田村昌也准教授らの研究チームは25日、大学内で実験の様子を公開した。研究チームは、魚類養殖の効率化と自動化に向け、海中に常駐して水質や魚の育成状況を自動管理する水中ドローンの実現に貢献できると評価している。

 これまで、海中では電流の損失が大きいためワイヤレス給電は困難とされてきたが、研究チームは海水の高周波特性に注目。海水に含まれる豊富なイオンの移動によって生まれる高周波電流による給電方式の研究に取り組んできた。

 これまでの実験で、送電距離2センチで94・5%、15センチでも85%以上の送電効率を実現。受電器の重さも270グラムに抑えることができた。さらに広い帯域で高効率を維持できるため、2センチの距離で約100Mbpsの高速情報通信に応用できることも確認した。

 この日の実験は、イオン(電流)の漏れを防ぐクッションダンパーで覆った電極を備えた給電ステーションを、海水をためたプールの中に設置。その上に受電器を搭載した水中ドローンを置いて、給電ステーションからドローンへ送電。充電が終わったドローンを自力航行させる実験を行った。また、ドローンの水中カメラで撮影した映像を給電ステーションにワイヤレス送信し、その映像をパソコン上に表示させるデータ通信の実験も行った。

 実験に立ち会った田村准教授は「漁業では高齢化と就業者の減少が進んでいて、水中ドローンを使った養殖で作業負担を軽減させることができる」と研究のねらいを説明。今後は、送・受電装置の改良と実験を重ねていく予定で、開発中の技術は高効率で軽量であることから、設計を大きく変更することなく、海中に常駐できるドローンの開発が可能だとしている。

2021/06/27 のニュース

充電後にプール内を移動する水中ドローン㊧と給電ステーション㊨(豊橋技術科学大学で)

海中に常駐するドローンを使った養殖のイメージ(同大学提供)

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