守公神社で60年ぶり神仏再習合祭事/豊川
2024/02/17
拝殿の神前で行われた経典「般若心経」の転読(守公神社で)
豊川市国府町の守公(しゅこう)神社(鈴木忍宮司)で16日、60年ぶりの神仏再習合の祭事「大般若祈祷会(だいはんにゃきとうかい)」が営まれた。神社で神道と仏教の儀式が執り行われ、地域住民らの平安を祈願した。
1868年の明治政府による神仏分離により、近くの高膳寺に移されていた経典「般若心経」が1日限定で神社に〝帰省〟。最初に鈴木宮司(52)らによる祝詞奏上や玉串奉奠(ほうてん)などの神事が行われた後、高膳寺の永田恵照住職(73)や僧侶たちによって焼香や、経典を扇状に広げて上下させながら読経する転読が行われた。
全600巻ある経典は、高膳寺では長年使われず劣化が進んでいたが、40年前に修復した。「守公神社」と書かれた経典を参拝者に披露した永田住職は「もともとはこの神社に納められたという証拠。伝統を踏襲して珍しい祭事を執り行うことができ、私自身もいい経験になった」と振り返った。
境内では、限定の御札や御朱印の頒布、ぜんざいの振る舞いもあり、鈴木宮司も「地域がにぎわう意味でもいい機会になった」と話した。