本気で遊べる洞窟ツアー

東栄町の山中で「異空間」へ潜入/移住探検家がご案内

2024/05/11

広い空間や地底湖もある。奥は山口さん(東栄町で)

 ライトに照らされて輝く地底湖、目の前に並んでぶら下がるコウモリ―。こんな「異空間」に潜入する洞窟探検ツアーが、東栄町の山中で始まる。案内するのは、町に今年移住してきた探検家2人。「本気で遊べるアウトドア体験をしてもらいたい」といい、小学5年生から大人まで参加を受け付けている。

 舞台となるのは、同町古戸(ふっと)にある天然の鍾乳洞だ。地主から管理を任され、asobibito(遊び人)の屋号でツアーを催行する松下剛士さん(41)=大阪府出身=によると、地表からしみた雨水が石灰岩を徐々に溶かし、40万~50万年かけて形作られたと考えられる。

 人の入れる部分は全長1200メートル程度あり、国内でも規模が大きい洞窟だ。アリの巣状に奥へと広がり、はって進んだり、両手も使って上り下りしたりする。

 記者も一部だけ体験させてもらった。ヘルメットやつなぎ服を着用し、身をかがめて入っていくと往年のテレビ番組「水曜スペシャル」をふと思い出した。見上げれば、100年かけて1センチ伸びるという鍾乳石がぜいたくにたれている。その奥深く、見えない先まで割れ目が続いていた。

 気温は年間通じて約10度で、吐く息は白い。全員そろってライトを消すと、すぐ隣の人さえ見えない本物の暗闇となった。

 松下さんとともにガイドを務める山口夕佳里さん(38)=東海市出身=は「洞窟は光も全く入らず、非日常の世界を味わえるのが魅力」と語る。2人はこれまで、岐阜県を拠点に洞窟ガイドを10年以上務めてきた。

 探検ツアーは12日から本格実施する。初めての人が参加できるレベル1のコースは、保険や用具レンタルを含めた料金が1万円(税込み)。詳細はウェブサイト=QRコード=で確認できる。

 4月に始めたモニターツアーには、関東や関西、遠くは北海道から参加があった。2人は「探検で東栄町を盛り上げたい。1度体験すれば次のレベルに進みたくなり、町のリピーターになってもらえる」と意気込んでいる。

鍾乳石の説明をする松下さん(同)

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