浜松の「どうする家康浜松大河ドラマ館」
2023/03/19
鈴木市長や德川さんらがテープカットでグランドオープンを祝った(静岡県浜松市中区で)
今年のNHK大河ドラマ「どうする家康」の世界観を表現した「どうする家康浜松大河ドラマ館」が18日、グランドオープンを迎え、鈴木康友市長や名誉館長を務める徳川宗家第19代当主の德川家広さん、本田忠真役で出演する俳優の波岡一喜さんらが出席し、テープカットで完成を祝った。
波岡さんらは、プレオープンから大幅にリニューアルされた館内を見て回り、ドラマに登場する浜松城の城門はじめ、小道具や衣装、セットなどに関心を寄せた。記念式典では、それぞれのあいさつに続いて、テープカットでドラマ館の成功を祈願した。
当日は冷たい雨が降る中、浜松市立高校吹奏楽部による主題歌の演奏披露が行われ、ドラマ館前には大勢の来館者が長蛇の列を作った。
鈴木市長は「プレオープンから5万人以上が訪れ、上々の滑り出しとなった。徳川家にとって激動の浜松時代がスタートする。多くの試練を乗り越え大きく出世した、浜松での家康の姿を楽しんでほしい」と述べた。
德川さんは「関ケ原の戦いも当日に雨が降ったと伝わる。徳川家にとって雨は吉兆。三河の小大名から天下統一の足掛かりをつかむ、大変で充実した浜松時代のドラマチックな家康を楽しんでもらいたい」と話した。
磯智明NHK制作統括チーフプロデューサーは「浜松は家康が作り上げた街。家康にとって出世の物語が始まる。ドラマのターニングポイントとなる三方ヶ原の戦いなど、見応えある映像に仕上がっている。ドラマ館と一緒に盛り上げていきたい」と語った。
波岡さんは「2021年の『青天を衝け』で演じた川村恵十郎役に続き、今回の本多忠真役で『最初と最後の将軍に仕えた男』になった。浜松には大きな縁があり、炭焼きレストランさわやかや浜松餃子、うなぎなども好きで、第3の故郷だと感じている。平八郎(本多忠勝・山田裕貴)とともに戦う姿を楽しんでほしい」と話した。
「このアホ、たわけが!」。山田裕貴さん演じる平八郎(本多忠勝)に、叔父の本多忠真が一喝する名場面―。今年のNHK大河ドラマ「どうする家康」の世界観を表現した「どうする家康浜松大河ドラマ館」がグランドオープンした18日、ゲストに招かれた俳優・波岡一喜さんがあいさつで最初に放った言葉に、観客から大きな拍手が送られた。
波岡さんが演じる忠真は親代わりとして、おいの忠勝(徳川四天王)に武芸をたたき込み、戦国最強武将へと育てた。三方ヶ原の戦いでは獅子奮迅の活躍で、功労者として知られる。
波岡さんは「ドラマ館には現場で働く僕らが知らなかったものもあり、すごく興味深い出来に仕上がっている。ドラマでは、これから徳川家が苦しい戦いを強いられ、その中で家臣団が成長する姿を見てほしい。浜松に縁ある三方ヶ原の戦いで、殿(家康)のため、命を削り戦う熱意や忠誠、忠勝との絆を楽しんでもらいたい」と話した。
波岡さんにとって忠真は「普段は『酔いどれ侍』と呼ばれ荒々しいが、忠義に厚く心の中には常に殿がいて、殿のために何ができるかを考えている。親代わりで育てあげた、おいの忠勝に何を伝えられるか。強さと熱さ、三方ヶ原の戦いでは武田軍と戦う姿を、覚悟を持って見届けてほしい」と語った。
山田さんとのエピソードでは「三方ヶ原の戦いで2人のシーンがあり、互いに気合が入り過ぎていて『もう少し力を抜こう』と言い合いました。その場面は両者の関係を崩さないようあえて会話をせず、程よい緊張感の中で良いシーンを撮れた。多くの皆さんに楽しんでもらいたい」と述べた。
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