地域の課題解決目指すプロジェクト

「アーバンイノベーション豊橋」に取り組む/関わり保ち企業と盛り上げ

2023/09/16

実証実験について説明するトゥモロー・ネットの松浦副社長(豊橋市役所で)

 スタートアップと協力して地域の課題解決を目指すプロジェクト「アーバンイノベーション豊橋」に取り組む豊橋市は、企業との関わりを保ちつつ同プロジェクトの盛り上げにつなげている。

 2020年度にスタートした同プロジェクトでは、市が提示した年2、3件の地域課題を解決に導くビジネスアイデアを企業から募集。市によると、応募した企業数は20年度に23社、21年度に27社、22年度に38社と右肩上がりで増え、23年度には過去最多の43社から提案が寄せられた。

 市は過去の応募企業をリスト化。募集する段階でリストをもとに各社に直接声をかけ、地道に参加を呼びかけてきたことが応募企業の増加につながっているとみる。

 市地域イノベーション推進室の小野健太郎室長補佐は「関心を持ってもらえるのはありがたい」と話す一方、応募企業数の「多い少ないではなく、課題解決に向けた提案を実現することがゴール」と気を引き締める。

 実際、過去3年間で本格導入までこぎつけた事例は、複数の言語で生活情報などを表示する外国人市民向けウェブサイトと、介護保険認定の調査訪問を効率化するシステムの2件だけ。その他のビジネスアイデアは実証実験で効果を確認できず、実現に至らなかった。

 社会実装までには高いハードルが立ちはだかるものの、新サービスを市だけで生み出すことは難しく、スタートアップにとっても初めから多額の投資はリスクになる。「小さく試す機会」(小野さん)である同プロジェクトには、自治体と企業の双方にとって利点がある。

 市は23年度に採択した2社と、12月までかけて実証実験を行う。このうちトゥモロー・ネット(東京都)は、複雑で多岐にわたる福祉サービスの問い合わせに人工知能(AI)で24時間対応できるようにする。12日、市役所であった記者会見に出席した松浦淳副社長は「これを成功させ、全国に広めたい」と意気込みを語った。

 もう1社の構造計画研究所(同)は、学校体育施設のオンライン予約やスマートフォンで施錠を管理するスマートロックの導入を目指す。

 来年2月に両社の成果報告会が予定されている。

2023/09/16 のニュース

実証実験について説明するトゥモロー・ネットの松浦副社長(豊橋市役所で)

東日新聞サイトコンテンツ(PC表示)

連載コーナー

ピックアップ

読みたいコーナー

有料会員募集

価格改定のお知らせ

きらり東三河

高校生のための東三河企業情報サイト

税理士法人ひまわり

連載コーナー

ピックアップ

Copyright © TONICHI NEWS. All rights reserved.