パリ五輪聖火トーチの燃焼機構製造

新富士バーナー2度目の大役/特徴は3種類の燃焼

2024/04/03

トーチ㊧の内部に搭載される燃焼部㊥とガスボンベ㊨

 業務用バーナーやアウトドア製品を開発・製造する豊川市御津町の新富士バーナーが、この夏のパリオリンピックの聖火リレーで使われるトーチの燃焼機構を製造している。2021年の東京大会に続く「大役」で、高度な技術と緻密な検査で平和の祭典を後押しする。

 製造するのは、トーチ内部に入る燃焼部とガスボンベ。燃焼部は聖火を表す赤い炎、白金メッシュの下で燃える約1500度の青い炎、白金表面の触媒燃焼の3種類の燃焼が特徴で、走行中に旗がたなびくように炎が出るようテストと微調整を重ねた。自社のアウトドア用コンロにも搭載された減圧機構「マイクロレギュレーター」で外気温や連続使用の影響を抑えることになる。

 開発部の山本洋平係長(34)は「(トーチの)形状的にも理想的な形や色の炎を表現するのに苦労したが、平和の祭典に携われる喜びを胸に取り組んだ」と語った。製造工程では水没させたり、火を近づけたりしてガス漏れがないかを確認する二重三重の点検を徹底し、すでにフランスに出荷を始めている。パラリンピックのリレー用にもしばらく製造が続くという。

 同社は東京大会の聖火リレーの実績があり、入札を経て昨年1月に大会組織委員会が再び燃焼機構の製造元に認定した。

 能登半島地震の被災地にも商品を寄付しており、山本晃代表取締役社長(67)は「オリンピックを通じて弊社の商品が日常的に使われるようになり、災害でインフラが途絶えた時に生活の手助けになれば」と期待を寄せている。

 一方、トーチは全長が70センチ、エッフェル塔をイメージしたデザインで、先端が細い。生産本数が2000本。同社が製造した燃焼機構を組み入れ、16日のオリンピアでの採火式、5月8日からの聖火リレーに備える。

火を近づけてガス漏れがないかを点検

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