豊橋FM補完中継局運用開始

難聴対策や運営負担減など/ワイドFM利用拡大狙う/CBCラジオと東海ラジオ放送

2024/04/08

赤色で示された豊橋FM補完中継局の対象地域(総務省資料より)

 中京圏広域AMラジオ局のCBCラジオと東海ラジオ放送(ともに本社=名古屋市)はこのほど、豊橋FM補完中継局(岡崎市・本宮山山頂、ワイドFM)の運用を開始。豊橋市や周辺地域でAMと同一内容で高音質な放送を聴けるようになった。外国の放送局などの電波混信や地理・地形的な難聴対策のほか、運営負担の小さいFM局へ転換を検討する動きも踏まえ、両社はFM放送の周知と利用者拡大を狙う。

 同補完局の対象地域は、豊橋市とその周辺都市の一部、約34万8000世帯が対象。周波数は、東海ラジオ放送が91・0MHz、CBCラジオが91・8MHzで、出力はともに50ワット。

 ワイドFMは両社とも、2015年10月から放送を開始しているが、地形などの関係で県東部地域では雑音が混じるなど受信の難しいところもあった。受信するには、FM90~94・9MHzを受信できるワイドFM対応の受信機が必要となる。

 両社は県東部地域で、豊橋局(CBC=1485kHz、東海=864kHz)と新城局(CBC=1557kHz、東海=1332kHz)の2つのAM中継局を置いている。このうち東海ラジオ放送は、8月から2025年1月まで、豊橋・新城両局の運用を一時休止し、AM放送が無い場合の影響などを調べる実証実験を行う予定にしている。

 FM放送は、電波の特性でAM放送よりも建物内で聞こえやすく、高音質。さらに、送信アンテナは山頂や鉄塔を使って可能で、広大な敷地が必要なAM送信所と比べても事業者の運営費用が低く抑えられる。

 放送局への免許交付などを行う総務省は、AMラジオ局の持続可能な運営を目指すため、AM放送からFM放送への切り替え「FM転換」の考えを示している。全国のAMラジオ事業者でつくる「ワイドFM(FM補完放送)対応端末普及を目指す連絡会」は28年秋までのFM転換を目指すとして、両社も参加。各社は「それぞれの地区にあった方法で従来のサービスエリアを最大限に維持していく」としている。

AM放送とFM放送の違い(総務省資料より)

ワイドFM受信可能をマルで示す周波数表示の一例=総務省、ワイドFM(FM補完放送)対応端末普及を目指す連絡会資料より

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赤色で示された豊橋FM補完中継局の対象地域(総務省資料より)

AM放送とFM放送の違い(総務省資料より)

ワイドFM受信可能をマルで示す周波数表示の一例=総務省、ワイドFM(FM補完放送)対応端末普及を目指す連絡会資料より

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