生産者らの「愛読書」紹介

豊橋市まちなか図書館で特別展示/来月の農業イベント応援

2024/05/21

展示されている生産者の愛読書などの前に立つ種田館長

 生産者はどんな本を愛読しているだろうか?豊橋市まちなか図書館は、6月に東三河を中心に繰り広げられる人気の農業イベント「オープンファーム」(OF)を応援するため、館内で特別展示を開いている。「あなたも農場に足を運んでみませんか?」と呼びかけている。主催者側は「入館者が農業に関心を寄せてもらうきっかけにつながる」と喜んでいる。

 ■バイブルの存在

 会場で紹介しているのは、OFに参加する10の生産者や関連の教育機関。このうち多肉植物をハウス栽培する豊橋市の「南国ちゃたんたにくった」が勧める本は、「努力したら負け」。好きなことに打ち込めば、本人はそれを努力と思っていないという趣旨の言葉から、今の仕事につながった。

 露地栽培する豊川市の「あおば農園」は、休耕地を農地に再生した持ち主。大切にする「縄文生活図鑑」は、農の原点を思い出させる「農業版バイブル」の存在だ。豊橋市で鶏を平飼いする「OASISFARM」の愛読書は、「自然卵養鶏法」で「養鶏のイロハを学んだ」。

 豊橋市の榊原自然農園は「子どもを壊す食の闇」、豊川市の「Hatake the Niwa」は「いろんなおやさいどこになる?」を好きな本に選んだ。子どもに「食の安心安全」や「野菜がどんなようにつくられるか」を教えている。

 いずれも豊橋市でOFに力を入れる「リーフ」や初回から参加している「めぐりとまと」、「翠茗園岡本製茶」のほか、初参加の田原市の渥美農業高校、豊川市の「榊原薔薇園」も紹介している。

 ほかに生産者が育てた農産物で作った加工品や過去のOFの写真を飾り、今回の開催を告げるパンフレットも置く。来場者が延べ5000人を突破しOF実行委員会の尾崎幹憲委員長が、その取り組みを語った時の東日新聞の紙面も張り出している。特別展示はOFがある6月2日まで。

 ■企画は館長

 企画したのは、元NHKディレクターの種田澪(おいだみお)館長。3月のトークショーでゲストに招いたOF実行委の伴和樹事務局長からOFの魅力などを聞いたのがきっかけだった。その後、資料収集やOFに参加する生産者代表らを取材していた。「本を通じて生産者が農業に誇りを持ち、働いている姿が浮かんでくる」と話し、OFを支援する。

 伴事務局長は「OFを続けるうえで図書館のサポートはありがたい」と語る。

キーワード 「オープンファーム (OF)」

来場者が開放された農場を巡り、収穫体験や直販を楽しむ農業イベント。OF実行委員会委員長でコチョウランの生産、販売を手掛ける豊橋市細谷町の「リーフ」の尾崎幹憲社長が呼びかけ、2020年11月に始めた。これまでに6回開かれ、前回は47の生産者らが参加して農産物などを販売し、来場者が最多の約5600人を記録した。

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