伝統工芸士・柴田さんが八町小で出前講座開く
2025/02/01
児童たちに手本を見せる柴田さん(豊橋市八町小学校で)
豊橋市立八町小学校は1月31日、同校体育館で校区内に住む豊橋筆伝統工芸士の柴田敏博さん(59)=旭町=を講師とし、4年生65人を対象に豊橋筆づくり体験の出前講座を開いた。
大別して16ある製造工程の中から、児童たちは「仕上げ」を体験。まず柴田さんが手本として、小筆の穂全体に糊(のり)を含ませ、根元に糸を巻き付け、回しながら余分な糊を取り除いてみせた。
次に挑戦した4年生は、口と手を使って糸と筆を操ることに苦戦しながら、自分の名前シールを貼ったマイ小筆を作り上げた。
参加した中西頂さんは「馬やタヌキなど、いろいろな動物の毛が使われているのに驚いた。糊がベタベタして大変だったけれど、自分の筆ができてうれしい」、三浦光織(ひかり)さんは「初めて自分で作った筆を大事に使っていきたい」と感想を話した。
4年生は、社会科で伝統工業について学ぶことから、筆づくり体験を通して作業工程や伝統工芸を守る苦労などを学ぶ機会とする狙いがある。
柴田さんは「筆は筆記用具として身近なものではなくなったが、自分の名前くらいは筆で書けるようになってほしい。筆に興味を持ち、筆づくりの後を継いでくれる子が増えたらうれしい」と話した。