「現時点で検討せず」

新アリーナ事業継続請願で豊橋・長坂市長/「陰鬱になるくらい考えた」/〝ゼロ回答〟推進派反発/川西共同代表「諦めず運動前へ」

2025/02/27

本会議で質疑に答える長坂市長(豊橋市議会議場で)

 豊橋公園東側エリアでの多目的屋内施設(新アリーナ)建設計画の継続を長坂尚登豊橋市長に求める請願について、26日の市議会定例会本会議で、事業継続は現時点で検討していないとの報告があった。従来と変わらない結果に、請願を提出した市民団体や建設推進派の議員からは「ゼロ回答」だと反発の声が上がった。

 この日開会した3月定例議会で、伊藤篤哉議長が長坂市長から届いた請願の処理経過と結果の報告書を読み上げた。その中では、市として「請願を採択する議決がされた重みは認識している」としつつ「先の市長選挙の結果を尊重すべきものと考え、豊橋公園東側エリア(アリーナ)の契約継続を図ることは現時点において検討していない」とした。

 田中敏一議員(自民党)からの質疑で、議会で採択された請願への認識を問われ、長坂市長は「胸が痛いというか、陰鬱になるくらい考えた」上での判断だったと説明した。

 請願書は、市民団体「新アリーナを求める会」が市内外から集めた約13万4000人分の署名を添えて昨年12月に市議会に提出した。同月の市議会本会議で計画を推進する自民、公明両党や民主系「まちフォーラム」などの賛成多数で採択された。

 議会は長坂市長に対し、請願の処理経過と結果報告を2月25日までにするよう求めていた。
 結果報告書を受け、求める会の川西裕康共同代表は26日に記者会見し、署名に応じた人たちに「申し訳ない」と心境を吐露。「新アリーナが豊橋市にとって最善のことと確信している。諦めず運動を前に進めたい」と述べた。
 紹介議員の星野隆輝議員(まちフォーラム)は「負託を受けた声を市長に届けられず残念」と肩を落とし、松崎正尚議員(自民党)は市長選の結果を優先する姿勢に「市長に投票した人だけが豊橋市民なのか」と疑問を呈した。尾林伸治議員(公明党)は「議会を軽視し、独断で進めている」と長坂市長を批判した。
 新アリーナ建設計画をめぐっては、昨年11月の市長選で当選した長坂氏が中止を訴えた選挙公約に基づき、契約解除に向けた手続きを進めている。

記者会見に臨む川西共同代表ら(豊橋市役所で)

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