豊橋/技科大などの研究チーム
2025/02/28
音声入力カルテ作成システムのイメージ(提供)
豊橋技術科学大学などの研究チームが、県の「知の拠点あいち重点研究プロジェクトⅣ期」の一つとして、「音声入力によるAIカルテ作成支援システム」と、心臓狭窄症を判定できる「循環器画像からのAI自動診断システム」を開発した。
システム開発は「IT・AI技術を結集したスマートホスピタルの実現」のテーマで行われ、同大学情報・知能工学系北岡教英教授が研究リーダーとなり、豊橋ハートセンターなども参加した。
AIカルテ作成支援システムは、深層学習に基づく音声認識を独自の手法により医療用発話に適応。「体温37・6度、血圧、下79、上132…」など、医師や看護師が音声でスマートフォンに入力すると、システムが体温や脈拍、血圧、呼吸数などの項目をカルテ様式に変換していく。豊橋ハートセンターで実証実験を行い、同病院の電子カルテシステムとの連動を確認した。
従来の電子カルテは手入力により作成されてきたが、新システムでは「看護師や医師による患者の回診や問診の負担を軽減することができる」と北岡教授は期待している。今後は、「気分が悪い」「お腹が痛い」など数値以外の症状も入力できるようにしたいとしている。
AI自動診断システムは、患者への負担が大きい造影剤を使わない単純CT画像から、狭窄の有無や石灰化を定量化したカルシウムスコアを推定し、心臓狭窄症を90%以上の精度で判別できる。診断結果を画像と文字で表示する可視化システムも開発し、正確な診断を短時間で簡単に行えるようになることが期待される。