名豊道路完成【①渋滞緩和】/名古屋圏まで60分に/住宅地への進入抑止に期待
2025/03/03
物流関係の大型車で混雑する京次西交差点付近(豊川市白鳥町で)
国道23号バイパス(BP)「名豊道路」が8日に全線開通する。事業着手から52年の歳月を経て、待望の日を迎える。名古屋圏まで結ぶ総延長72・7キロの新たな大動脈の完成で、東三河にはさまざまな効果が期待される。
全線開通でまず期待されるのは、周辺道路の渋滞緩和だ。名豊道路で最後の未開通区間、蒲郡BPの豊川為当インターチェンジ(IC)~蒲郡IC。両IC付近では慢性的に渋滞が起きている。
たとえば、豊橋BPから名古屋方面へ向かう物流関係の大型車は豊川為当ICを降り、県道31号・東三河環状線を通って京次西交差点を左折し国道1号へ。約6キロ先の音羽蒲郡インター交差点で右折し東名高速道路に入るか、左折してオレンジロードを通り、蒲郡ICから再び名豊道路に入る車が多い。蒲郡市内まで海沿いの国道23号を走り、蒲郡ICに入るパターンもある。
豊橋市から名古屋市までの所要時間は、国道1号では約1時間50分、国道23号→名豊道路では約1時間20分だが、名豊道路の全線開通後は約1時間に短縮される見通し。物流車両の流入により国道1号の京次西交差点では最大約700メートル、蒲郡市大塚町の国道23号・十能交差点では最大約880メートルの渋滞が発生しているが、これらの解消が期待される。
住宅地や生活道路への流入抑止も期待される。ひとたび国道1号で事故が起きれば、豊川市国府町や御油町の旧東海道などに車が進入する事態となっている。
御油町の国の天然記念物「御油の松並木」を通る県道長沢国府線では20年ほど前、自転車と車の交通死亡事故が起きた。これを受けて車の速度を抑えるためのポールや段差が設けられたが、いまもスピードを出す車が後を絶たない。
元町内会長の男性は「悲しい事故が二度と起きてほしくない。車の交通量が減ることが何より効果的」と、名豊道路開通に期待する。