最優秀賞にアイセロ、優秀賞に一幸建設と夏目デザイン
2025/03/16
アイセロの水溶性フィルム新工場
豊橋商工会議所(神野吾郎会頭)が14日に発表した第13回環境経営賞は、環境性能の高い新工場を建設したアイセロ(豊橋市石巻本町)が最優秀賞を受賞。一幸建設(同大山町)と夏目デザイン(同湊町)が優秀賞に選ばれた。
アイセロは昨年、水溶性フィルムを製造する環境効率の高い新工場を稼働させた。新工場では、生産に使用した水を工場内で処理し循環させることで工業廃水ゼロを実現。
独自の生産設備は高度な自動化操業を可能にし、最新の安全管理システムで従業員の安全を確保した。工場全体を免震化し、大規模地震が起こっても被害を最小限に抑え、生産を継続して製品供給を止めないように設計した。
同社が製造する水溶性フィルムは、個別包装のカプセル洗剤などに使用されている。重量のある大型洗剤容器の輸送に使われてきた燃料を節約し、大型容器からの過剰投入を防ぐことで水質環境負荷の低減にも効果があり、こうした点も環境経営賞として評価された。
優秀賞の一幸建設は、本社ビルを消費エネルギーゼロの建物(ZEB)に改修した。一般的に改修によるZEB化は難しいとれてきたが、同社では既存の窓や仕上げを残し、その上から断熱材や二重サッシを施して断熱性能を向上させた。高効率空調設備や人感センサー型LEDを導入し、一次エネルギーの消費量を約30%削減。太陽光発電設備も設置して建築物省エネルギー性能表示制度の五つ星認証を取得した。
住宅の設計・施工をてがける夏目デザインは、全長3㍍の小型木造トレーラーハウスに高断熱仕様を施し販売している。鉄骨タイプより熱の損失は約55%少なく、太陽光発電システムも搭載して電力使用量も大幅に削減。使用しなくなった後は解体せずに売却、再利用しやすいため、循環型社会の実現にも寄与すると期待されている。