総務大臣から初の受賞/日頃の活動評価 高まる士気/防災力向上へ力強い後押しに
2025/03/16
「消防団地域貢献表彰」に決まった豊橋市消防団(市提供)
豊橋市消防団は、総務大臣から2024年度の「消防団地域貢献表彰」を初めて受けることになった。地域の守り手として、防災力向上に向けた普段からの活動が実を結んだ。19日に東京で表彰式が行われる。
同表彰は、災害対応ではない活動で地域防災力の向上に寄与したことなどを評価するもの。以前は総務大臣感謝状として実施され、23年度から現在の名称になった。
同市消防本部によると、市消防団が同表彰に選ばれたのは感謝状の時代を含めて初という。
市消防団は平常時にも、さまざまな取り組みを展開してきた。団員募集のリーフレットを日本語以外に英語とポルトガル語でも作成。実際に24年4月時点で、カナダ人やブラジル人など4人の外国人が在籍していた。
分団ごとの活動拠点である詰め所のシャッターに思い思いの絵を描く機会を地元の小学生たちに提供しているほか、その中に格納された車両の見学や放水体験といった防災教育も行っている。
24年度から校区の分団とは別に「広報・支援分団」を立ち上げ、写真投稿アプリ「インスタグラム」でイベント参加時の様子などをこまめに発信。また広報活動の一環として、日傘などPR用のオリジナルグッズを企画、製作している。
同表彰の決定について松本敬一団長(56)は「団員の励みになるので、うれしい」と喜んだ。少子化などを踏まえた持続可能な組織づくりが課題となる中、「今後も消防団の活動を市民に伝え、加入促進につなげたい」と話した。
市消防団は、23年6月の台風2号に伴う記録的な大雨の際の防災活動で功績があったとして、24年1月に水防功労者国土交通大臣表彰に選ばれ、同9月には防災功労者内閣総理大臣表彰を受けた。