暑い場所の可視化も/ゲーム分野含めた活用策にも期待/豊橋市
2025/04/10
詳細に再現された豊橋駅東側地区のメタバース(豊橋市提供)
豊橋市は、豊橋駅東側地区の街並みをインターネット上の仮想空間「メタバース」として再現した。建物と日差しの関係などから、例えば夏に暑い場所が一目でわかるようにした。ゲーム分野を含めた活用策にも期待している。
全国約200都市が参加する国土交通省の3D都市モデル整備プロジェクト「Project PLATEAU(プラトー)」で、市は2023年度に市全域の3次元(D)データを誰でも利用できるオープンデータとして作成。24年度は駅東側地区に限り、ただの箱型だった建物に屋根の形や壁面の模様も航空写真から再現し、より実際の街並みに近づけた。こうした3Dモデルの都市空間構築は、東三河の自治体では豊川市に次いで2例目という。
活用事例として豊橋市は気候変動を踏まえ、夏にどの辺りが暑くなるのかを建物の位置なども加味して分析。携帯電話の位置情報を参考に、人の流れと重ね合わせた結果を表示できるようにした。市都市計画課の近江将行主幹は「イベント時などの暑熱対策につなげてもらえたら」と賑わい創出に絡めて狙いを説明する。
他都市では、同プロジェクトのメタバースを世界的な人気シューティングゲーム「フォートナイト」の舞台として使っている例もある。近江主幹は「ゲーム空間で利用してもらうことにも期待したい」と話している。
オープンデータ化された3D都市モデルは、国交省のホームページから閲覧したり、企業や大学などが自由にダウンロードして活用したりできる。