蒲郡で元NHKアナの杉山さん講演
2025/04/29
玉の海について語る杉山さん(蒲郡市・蒲郡ホテルで)
元NHKアナウンサーで、相撲ジャーナリストとして活躍する杉山邦博さん(94)は27日、蒲郡市三谷北通の蒲郡ホテルで「ありがとう横綱玉の海」と題して講演した。市出身で27歳の若さで急逝した大相撲の横綱「玉の海」への思いを語り、「30回以上は優勝できただろう。大鵬や千代の富士をしのぐ大横綱になれた」と早世を惜しんだ。
講演会は、玉の海の中学の同級生らでつくる「第51代横綱玉の海を愛する会」が主催。約200人が詰めかけ、熱心に耳を傾けた。
杉山さんは玉の海の人柄に触れ、「律義で真っ正直。とにかく真面目だった」と懐かしんだ。後輩の面倒見も良かったという。弟弟子に当たる故・貴ノ花(初代)が酒席の後で帰宅する途中、ランニングに励む玉の海を見て、反省したというエピソードを語った。
会場ではさらに、当時、小結・玉乃島だったころの玉の海が横綱大鵬に勝った取組の映像が流された。これに合わせて杉山さんが名実況を披露し、会場を沸かせた。杉山さんによると、現在の部屋別総当たり制が導入されたばかりの一番。「新小結の若武者が横綱に勝った。歴史的な一番だ」と熱っぽく語った。
杉山さんは1953年にNHK入局。スポーツアナウンサーとして大相撲中継を中心に担当した。現在は相撲ジャーナリストとしてテレビ、ラジオに出演している。
玉の海は旧宝飯郡蒲郡町(現蒲郡市)出身。昨年亡くなった大相撲解説者の北の富士勝昭さんとそろって横綱に昇進し「北玉時代」を築いたが、1971年10月11日、虫垂炎をこじらせ、横綱在位のまま亡くなった。