長篠合戦はどう伝わったのか

豊橋市中央図書館で企画展

2025/05/01

展示を見る来館者(豊橋市中央図書館で)

 戦国史に残る合戦、長篠合戦から今年で450年。節目を迎え、合戦を振り返る企画展が豊橋市羽根井町の豊橋市中央図書館で開催され、多くの歴史ファンが足を運んでいる。これまでにない視点から合戦と東三河の人々の関わりを考える。

 長篠合戦は1575(天正3)年5月21日に起こった。織田・徳川連合軍が火縄銃を駆使して武田勝頼の騎馬隊を破ったとされ、テレビや映画でも描かれている。しかし、戦いの真実を記す戦国時代の記録はなく、江戸時代に作られた記録からさまざまな人物が研究し、発見が積み重ねられてきた。

 企画展では、地元の人々がどのように合戦を調べて伝え、文章や石碑などにとどめてきたかを紹介する。戦死者の供養から始まった伝統行事や、長篠合戦を調べた郷土史家の紹介、激戦地の旧家に伝わる古文書や絵図などが展示され、興味深い。江戸時代の地形図に合戦時の諸大名の陣の配置図を記した絵図や、長篠城内の様子がわかる絵図などが展示され、それらがどう拡散され広まっていったかが考察できる。

 鳥居強右衛門(すねえもん)や武田家の家臣馬場信房が明治以降英雄視された背景、武田家の所領・山梨県の人々と地元の関わりもわかり、興味深く見ることができる。合戦そのものではなく、記録する側の思いを伝える珍しい展示となっている。6月29日まで。

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