蒲郡の木工作家・倉澤さん国展入選

初応募で快挙/県美であすまで巡回展

2025/05/24

賞状を手にする倉澤さん=国立新美術館で(倉澤さん提供)

 蒲郡市の木工作家、倉澤真さん(49)が、第99回国展で工芸部奨励賞を受賞した。受賞作は「水際」と題した椅子で、海の美しさを表現したという。国内最大級の公募展で、初応募にして入選の快挙を果たした。「創作に重きを置いた作家として踏み出す中で、評価いただいてうれしい。大きな励みになります」と喜びを語る。

 国展は、美術団体「国画会」が主催する公募展。倉澤さんの作品は、工芸部門で入選し、中でも将来性のある優れた作品に贈られる奨励賞に輝いた。独創性や技術力、表現力が高く評価された。

 「水際」は、木材の座面と、透明樹脂の脚を組み合わせたスツール(椅子)。倉澤さんが昨年9月に訪れた沖縄県石垣市の白保海岸での体験が、制作のきっかけとなったという。青い遠浅の美しい海岸を目の当たりにし「この風景に調和する家具を作りたい」。水と陸地の境界線のイメージを形にした。

 25年間にわたり、職人として家具製作に携わってきた。2018年、市内でオーダー家具工房「木工時不知(もっこうときしらず)」を設立した。

 「水際」のような作品で海の美しさを表現する一方で、環境問題についても作品を通じて訴えかけている。海岸に漂着するプラスチックごみを素材にした家具は、市内海陽町のラグーナテンボス内「渚の交番UMICAN(うみかん)」で展示されている。

 第99回国展は、先月末から12日にかけて、東京・六本木の国立新美術館で開かれた。巡回展が名古屋市の県美術館ギャラリーで開催中。25日まで。

奨励賞を受賞した「水際」(同)

2025/05/24 のニュース

賞状を手にする倉澤さん=国立新美術館で(倉澤さん提供)

奨励賞を受賞した「水際」(同)

有料会員募集

今日の誌面

有料会員募集

東日旗

きらり東三河サイト

高校生のための東三河企業情報サイト

連載コーナー

ピックアップ

Copyright © TONICHI NEWS. All rights reserved.

PAGE TOP