商議所や金融機関などと協力し蒲郡市/望まぬ廃業回避 産業発展を目指す
2025/05/24
事業承継ネットワーク「かけはし」の初会議(蒲郡市役所で)
経営者の高齢化や後継ぎ不足が深刻化する中、蒲郡市は23日、商工会議所や金融機関などと協力して事業承継を支援するネットワーク「かけはし」を設立した。
市役所で第1回会議があり、蒲郡商工会議所や市内に拠点を置く各金融機関、県事業承継・引継ぎ支援センターなどの担当者が出席した。出張中の市長に代わってあいさつした贄年宏副市長は「事業者にとって身近な各機関と連携して、支援したい。望まぬ廃業を回避し、産業の発展を目指す」と述べた。
ネットワークの構築は、経済産業省中部経済産業局の事業承継支援体制構築事業で、県内では岡崎市とともにモデル自治体に採択された。かけはしの活動は、年2回の会議のほか、事業承継に関する相談窓口の設置、市への情報提供、セミナー・相談会の周知などを計画している。
同局中小企業課の北野聡史課長は「廃業をいかになくすか、事業承継が喫緊の課題だ。悩む事業者と支援者を結び、未来につながるかけはしになってほしい」と期待を込めた。
帝国データバンクによると昨年、全国の社長の平均年齢は60・7歳で、過去最高齢を更新。廃業などの数は大幅に増えて、過去最多の6万件を超えた。うち半数以上は黒字なのに休廃業、解散に至っている。経営者の高齢化が進む中、後継者が見つからず、事業承継の難しさが背景にあるとみられる。
市が昨年、市内企業に行ったアンケートでは、回答した623社のうち廃業を予定する事業者が1割に上り、理由は後継者の不在が最多だった。また、事業承継を希望しているにも関わらず、後継者がいない事業者も1割を超えた。さらに半数以上が「未定」「分からない」と答えている。