名物「けんか凧」合戦は来月1日に延期
2025/05/25
初凧の糸を引き、笑顔を見せる家族連れ(田原市中央公園で)
第63回田原凧まつり(東海日日新聞社など後援)が24日、田原市で開幕した。初日は、子どもの誕生を祝う初凧の祈願祭が行われ、大空に揚げられた。25日に予定されていた名物の「けんか凧」合戦は、悪天候が予想されるため6月1日に延期された。
市内では、江戸時代から続く初凧(市無形民俗文化財)とけんか凧(同)を、凧まつりを主催する田原凧保存会が受け継ぐ。初凧は江戸時代初期、男の子が生まれた年の翌年、端午の節句に親戚らから贈られた凧を揚げ、子どもの健やかな成長などを願ったのが始まりとされる。今では、男女に関係なく贈られている。
今年の初凧は29枚で、保存会に注文した市内外の家族連れらが市総合体育館で神事や記念写真撮影に臨んだあと、近くの中央公園で凧揚げ。
色鮮やかな武者絵、歌舞伎絵などが描かれた初凧が保存会員の手で揚げられ、手渡された糸を家族らが笑顔を見せながら引いた。次男の初凧が空高く揚がった母親は「健康で元気に育ってくれるのが一番です」と願った。
長男の初凧を揚げた田原市内の藤城敏光さんは「田原の伝統文化に触れることができました。長男も田原の文化を感じながら、すくすく育ってほしい」と話した。
今年も田原福祉グローバル専門学校の学生らが参加し、初凧揚げを盛り上げた。
空中で糸を切り合う「けんか凧」合戦は6月1日、田原文化会館北側の田園地帯で行われる。