社会実装目指して京都大と共同検証/蒲郡市
2025/06/18
契約を結んだ鈴木市長㊧と梅野教授(蒲郡市役所で)
蒲郡市と京都大学は、巨大地震の1時間前に異常を捉える「OHB(One Hour Before)システム」の社会実装を目指して、共同検証を行う契約を結んだ。年内にも観測装置1台を市内に設置し、データを集める。研究を進める梅野健教授は、予測情報を避難訓練に生かす考えも示した。
市では、戦時下に海溝型の東南海地震と、内陸型の三河地震が相次いだことから、梅野教授は「今回のシステムは内陸型も対象としているので、海、山もある蒲郡は重要な場所だ」と話す。
梅野教授らの研究グループは、大気の上層にある電気を帯びた電離層の変化と、地殻変動のデータを通じて地震の前兆を探ろうとしている。
梅野教授は「2011年に東北の地震を経験してから、シグナルが検出できないかと基礎研究を進めてきた。社会実装に向けて、自治体と一緒に取り組みたい」と話した。
市役所であった契約締結式で、鈴木寿明市長は「南海トラフ地震が危惧される中、危険を察知できれば、いち早く避難することができる。安全安心な市を目指して、第一歩を踏み出したい」と期待を寄せた。