豊川の「リッチハーバーシード」山本絢也代表/国内で完結 種子流通確立目指す/日本政策金融公庫から創業融資
2025/09/15
国内の農業者を支援しようと創業した山本さん
豊川市豊津町のリッチハーバーシードの山本絢也代表(35)が、高品質な国産タマネギ種子を生産して国内の農業者を支援している。日本政策金融公庫から、社会的課題の解決を目指す事業者を支援するソーシャルビジネス支援資金を用いた創業融資を受けた。
山本さんは以前、種苗会社に勤務。資材高騰などで農業経費が増える一方、野菜の相場は厳しく、国内の農業者が良質な野菜を作っても経営が圧迫されている現状を改善しようと創業し、昨年7月に法人化した。
タマネギ種子の生産は国内の気候条件は不向きとされ、多くを海外からの輸入に頼っているが、山本代表は「国内で完結する種子流通を確立したい」という思いから自社で改良を重ね、国産品種を開発した。生産技術と栽培環境の両面を改善して安定生産にも成功した。タマネギ以外にもカリフラワーやビーツなども生産している。
種採りから販売まで一貫して行うことで高品質な種子を全国の農業者に安価で提供。発芽率や収量の多さは海外からも評価され、カナダや米国にも輸出している。山本代表は「国産品質と実用性の両立により『メード・イン・ジャパン』の農業資材が世界で戦えるという事例を広げ、国内の農業振興につなげていきたい」と意気込んでいる。