自公連立解消 東三河に広がる波紋

選挙への影響「厳しい」一方「せいせいした」の声も/各市議会での足並みには不透明感も

2025/10/18

昨年10月の衆院選の決起大会で並ぶ自民と公明の旗やポスター

 政界に激震が走った自公連立政権からの公明の離脱。26年もの蜜月に終止符が打たれ、東三河の自民、公明の両党の支持者には動揺や失望がみられる。自民の支持層では意見が分かれており、市議会などへの影響も懸念される。

 突然の連立終焉に驚きを隠せないのは、愛知14区選出で公明推薦の今枝宗一郎衆院議員を応援する自民党員の70代男性だ。「これまでも選挙では『小選挙区は代議士に、比例区は自民か公明に』と呼びかけ、決起大会や演説会でも支持者を集めるのに公明さんから力を借りてきた。それが今後はどうなるのか、まったく見通しがつかない。裏金問題から自民への逆風が強いだけに(公明の)支持が離れれば、より厳しい戦いになると思う」と不安を隠せない。

 また、公明との別れを肯定する声もある。自民が成立を目指すスパイ防止法に反対するなど、安全保障政策で友党の存在は弊害となっていた面もある。高市早苗新総裁が先に国民民主の玉木代表と密会したことが公明の逆鱗に触れたという憶測もあるが、「戦略だったのでは」と指摘する市議もいる。

 一方で、公明の支持母体・創価学会員の50代女性は「(離脱に)せいせいした」と本音を漏らす。愛知15区選出の自民・根本幸典衆院議員は政治資金パーティー収入の還流分420万円が不記載だったとして、昨年10月の衆院選では比例代表との重複立候補は見送られたが、公明の推薦を受けて当選している。

 女性は「自民の裏金問題で私たちがかばっていると批判されたり、説明を求められたりすることもあった。公明は『雪の下駄』どころか『自民のポチ(犬)』と言われることだってある」と怒りを隠せない。

 今年7月の参院選では、応援した現職の安江伸夫氏が落選した。県内で初の議席を獲得した参政の躍進もあったが、女性は「裏金の自民党の仲間とみなされ、支持が離れたと思う。もっと早く自民から距離を置くべきだったという声もあった」と明かす。

 東三河各市の議会は今まで、自民系と公明の両会派が足並みをそろえる傾向にあった。ある市の保守系最大会派の代表は「これまでもしっかり意見交換はしており、今回の連立離脱から市議会で動くことは考えていないが、今後の流れは分からないことも多い。円滑に進めていきたい」と話している。

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