「女神のほほえみ」生育順調/設楽町名倉地区
2026/08/23

のぎが白く輝く「女神のほほえみ」(21日、設楽町東納庫で)
米どころとして知られる設楽町の名倉地区で、東三河発祥のブランド米「女神のほほえみ」が今年も順調に育っている。通常のコメと違い、「のぎ」と呼ばれるひげが稲穂から長く伸びるのが特徴だ。朝方訪ねると、日の光で白く輝き、波のように風に揺れていた。
女神のほほえみは、2012年に豊橋市の水田で偶然見つかった。6本の稲穂から取れた種もみが大切に育てられ、同市や田原市、東北地方などでも生産されている。18年には「豊橋1号」として品種登録された。
粒の大きさは一般的なコメの1・5倍ほどで、かみ応えと甘みがある。冷めてもおいしく、おにぎりや弁当にもってこいという。
設楽町では、名倉地区の後藤允二さん、天野拓也さん、金田百人さん、金田治さんの4人が生産する。
このうち計14㌶もの水田でコメを育てる40歳の天野さんは21年、祖父と一緒にこの品種を初めて作付けした。
のぎが麦のように伸びてくると、周囲から「お前は何を植えたんだ」と心配されたが、この年いきなり、食味を競う全国コンテストで入賞を果たした。
茎が太くて比較的育てやすいが、収穫後の乾燥に気を使うそうだ。「粒が大きいので、割れないように時間をかけて乾燥させる」と話す。
標高650メートル前後の高原に水田が広がる名倉地区には、周囲からきれいな山水が流れ込む。78歳の後藤さんは「昼夜の温度差があってコメがおいしく育つ。みんなに食べてもらいたい」と胸を張る。
コメ農家が心配なのは、秋の台風と米価の行方だ。天野さんは「肥料も機械も値段が上がった。昨年ほどの価格を望むわけではないけれど、その半分ぐらいだった以前の水準に戻れば、厳しくなる」と気をもんでいる。