町衆40人余りが受け継がれてきた能楽演じる
2026/08/23

能で平知盛の霊が義経らに襲いかかる(新城文化会館)
新城市で新城開府を起源とし、1736年から290年間受け継がれてきた能楽を演じる第35回新城薪能(同市、市教委主催)が22日、新城文化会館で開催された。小ホールを埋めた多くの市民が、新城能楽社、新城狂言同好会、東三喜多会の町衆40人余りが演じる能や狂言などの伝統芸能を堪能した。
能の「船弁慶」と狂言の「文荷(ふみにない)」が披露され、会場から大きな拍手が送られた。
能「船弁慶」は、兄・頼朝と不和になった源義経が、弁慶らと西国へ逃れる途中の物語。大物浦で静御前と別れ、静は義経の無事を祈って舞を舞う。
その後、義経一行が船で海へ出ると、突然嵐となり、壇ノ浦で滅びた平家の怨霊が現れる。平知盛の霊が義経に襲いかかるが、弁慶が懸命に祈り、怨霊を退散させる。優美な静の舞と、勇壮な後半の対比が舞台を盛り上げ、観衆を魅了した。
狂言「文荷」は、主人から恋文を届けるよう命じられた太郎冠者と次郎冠者が、文を持って都へ向かう話。2人は文が重くて嫌になり、途中で文を二つに裂いて分けて持とうとする。ところが、文の内容が気になって読み始めると、主人の恋文であることが分かり、面白がって文を取り合う。最後には文を破ってしまい、主人への言い訳に困るという、召使いたちの滑稽なやり取りを描いた狂言。ユーモラスなやり取りに会場は笑いに包まれた。
新城薪能は、同館完成の1990年を機に始まった。シテ方、ワキ方、囃子方、狂言方すべてが素人というのは、全国200カ所ほどで行われている薪能ではほとんどないと言われる。