この人に聞く 

「場をつくり、地域をつなぐ」

【第14回】神野愛子・サーラ不動産株式会社フードバレーチームリーダー

2026/09/07

神野愛子さん

 9月11、12両日、豊橋市のホテルアークリッシュ豊橋やemCAMPUSを舞台に「東三河FOOD―DAYS」が3回目を迎える。昨年は全国から約340人が参加し、40を超える企業・団体が名を連ねた。立ち上げから中心となって取り組んできたのが、神野愛子氏(サーラ不動産株式会社フードバレーチームリーダー)である。1、2回目は少ないメンバーで切り盛りしてきたが、今はメンバーも増えたことで「フードバレーチーム」として体制が整い、全体を見渡しながら取り組めるようになった。

 大学卒業後、三井不動産商業マネジメントに入社し、岡山・倉敷のアウトレットモールで3年間現場運営を担った後、本社で全国アウトレットのセール調整やブランディング、販促企画に2年間携わった。街ににぎわいをもたらすまちづくりやイベント企画のノウハウは、現在の仕事に直結しているという。

 「食と農」の地域である東三河で活躍する人材の発掘・育成を掲げる東三河フードバレー構想の下、emCAMPUSやホテルアークリッシュ豊橋を舞台に地産地消や食育など地域向けイベントを重ねてきた。地元にとどまらず外へも発信し新たな人材を呼び込もうと、その一環としてFOOD―DAYSを立ち上げた。

 1回目は参加者の7、8割を地元客が占めていたが、地元企業以外にも地域外の企業のパートナーを募り、登壇者にも地域外の顔ぶれを増やしたところ、食や農業に関わる地域外部の参加者が伸び、登壇者・参加者とも地元と地域外がほぼ半々となった。神野氏が見据えるのは外から人を呼ぶことだけではない。全国で活躍するキーパーソンが東三河に関心を寄せている事実を地元に伝え、「自分もあの場に参加したい」という機運を広げることを重視する。

 今年も約12コマのトークセッションを予定し、東三河と地域外の事業者を組み合わせる「作り手×創り手(クリエイター)」の企画が軸だ。新城市の茶農家、鈴木製茶と全国で活躍する3人を組み合わせるなど外部の視点から東三河を語ってもらう仕掛けを用意した。神野氏は「農家さんがステージに立ってトークセッションをするというのは他にあまりない」と話し、語れる生産者の層の厚さをこの地域の強みに挙げる。

 外への扉を開くきっかけは三菱地所だ。FOOD―DAYSを始める1年ほど前、ホテルアークリッシュ豊橋で開かれた同社主催のイベントに刺激を受けたのが着想の発端という。その後、東京での出展機会を得るなど全国発信の足がかりをつかんだ。その他にも、全国のトップシェフが東三河を訪れ地元食材で料理を振る舞うコラボイベントを重ねており、食材の豊富さを評価するシェフたちの声は生産者の励みにもなっているという。

 地域の作り手と外部の担い手をつなぎ、その価値を磨き続ける歩みは今後も続く。

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