原因「安保反対」法学で最多

学園紛争渦中 どう捉えたか㊥ 愛大「法経学部・名古屋校舎」

2026/09/15

かつて名古屋校舎の法経学部があったところ。現在は車道校舎になっている(名古屋市内で)

 豊橋市の愛知大学東亜同文書院大学記念センターが愛大生在学時の状況などを報告書にまとめたうち東日新聞が、その後の軌跡を追うシリーズ第4弾として取り上げた「大学紛争編」(最終編)で、名古屋校舎法経学部法学科の多くの人は「日米安全保障条約(安保)」を紛争理由に挙げた。経済学科ではばらつきがあったものの、両学科では紛争を肯定的に捉えた人が目立った。同じ学科でも豊橋校舎との認識の違いが感じられた。

経験卒業生に調査 経済はばらばら

 ■前向きに捉え
 アンケートに回答した名古屋校舎法学科8人のうち記載しなかった2人を除き4人が、紛争理由に「安保」を挙げ、「学費値上げ」と正しく答えた人はいなかった。しかし、安保に「学費値上げ」を加えた人が1人、「社会の流れでやむを得ない」と言った人も1人いた。

 紛争の認識について「無視」「ノンポリ」「革マル派などの思想に反対」が3人いたものの、4人は認識を超えて紛争を前向きに捉えた。「思想が自由で良かった」「集会・デモ行進によく参加した」などと書き込んでいた。

 紛争の影響に「なかった」が1人。一方で、2人が「面接が不採用」などと影響を認めた。「デモはいい経験になった」「紛争は資本主義のひずみに対抗するささやかな抵抗」と言及する人もいた。

 経済学科では、答えた5人のうち1人は紛争理由に「学費の値上げ」と書いた。「東京の大学の影響」「大学の封建的学風を打破する風潮」「国家権力との争い」などと理由にばらつきがあった。

 紛争の認識で、2人は「ゲバ棒を持ってデモをしていた」「暴力的行為で身を引いたが、それまでかなり関心を持っていた」と紛争を肯定的に解釈した。「デモと授業の中断」「学校の閉鎖」と答えたのも2人いた。

 紛争の影響に「なかった」「関心はない」が2人。1人は「一般企業の就職が良くなかった」と影響が出たと示唆し、もう1人は「就職後、社内の古い因習を改善する気持ちが高まった」とその効果を強調した。

経営学科の1人は記述がなかった。

 ■不思議に感じる
 豊橋校舎の法経学部では法学、経済学、経営学の3学科では、答えた人の半数前後が紛争の理由を学費値上げと書いた。紛争については肯定派と否定派に分かれた。

 調査した愛大名誉教授で愛大東亜同文書院大学記念センターの藤田佳久・元センター長は、「紛争は名古屋校舎から始まっただけに活発な活動が伝わり、前向きに捉える気持ちは理解できる。しかし、答えた人は少なく、全体の傾向とは言えないと思う。ただ、紛争理由を知らない人が多く、不思議に感じた」と話した。

 アンケート調査は2024年夏、1971年度に卒業した名古屋校舎の法学、経済、経営学の3学科622人を対象に行われ、18人が答えた。

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