30日から豊川で初個展 絵画「ペトリキウカ塗り」/ウクライナ出身の画家 ナタリア・シュラムコさん/素晴らしき伝統東三河に そして日本中へ広がれ
2026/09/28

ペトリキウカ塗りの絵画作品を紹介するナタリアさん(栄知村で)
ロシアとの戦争が続くウクライナ出身の画家で、豊橋市在住のナタリア・シュラムコさんによる「ペトリキウカ&イマジネーション展」が30日から豊川市国府町のカフェ・ギャラリー栄知村で初開催される。ロシアの実効支配地域で育ったため、独学で母国の伝統絵画を学び、東三河で浸透させようと励む。
10月3日まで4日間の展示では31点の小さな絵を紹介。ウクライナの伝統装飾で、ユネスコ無形文化遺産にも登録されている「ペトリキウカ塗り」で表現した。ウクライナでおなじみのヒマワリやカボチャ、稲穂や、童謡に登場する動物や魚などを、絵本に登場するような優しくかわいいタッチで描いている。
ナタリアさんは1枚の絵にかける時間を30分までと定め、イメージを膨らませて鉛筆で下書きし、描き直すことなく色を塗り終える。「その瞬間のプロセスと自分の想像力を100%信じること。筆を動かすたびに次はどんな結果が生まれるか分からないワクワク感を大切にした」と話す。
使う色は黄、緑、赤の3色のみ。混ぜ合わせてほかの色やグラデーションを表現する。猫の毛で作った伝統的な筆や、綿棒、指先も使う。
生まれ育ったウクライナ東部ルハンスク州は長年、ロシアの実効支配下にあった。ソ連時代から広くロシア語が使われ、学校ではウクライナの文化を学べなかった。夫・健一さんとの結婚を機に来日した2014年には、親ロシア派住民が一方的に独立を宣言。22年の全面侵攻以降は連絡が取れない親族もいる。
ナタリアさんは「私はロシア人ではなくウクライナ人。母国の文化を学びたい」とインターネットや書籍でペトリキウカ塗りを習得し、発信を続けている。「ウクライナでは悲しいニュースばかりだけど、こんな素晴らしい伝統があることを日本で広めることが私のミッションだと思う」。10月2、3日は在廊し、希望者に描き方を指南する。