市長公約実現へ課題探る/「もやすごみ」「生ごみ」収集日に実施/車両確保や市民理解にハードル/豊橋市
2026/09/30

ごみステーション(豊橋市内で)
豊橋市は、家庭ごみの戸別収集の実証実験を10月の4日間、市内の森岡町で実施する。長坂尚登市長の市長選公約だが、本格導入には行政側の負担増への対応や市民理解の醸成が必要で、大きなハードルとして立ちはだかる。
実証実験は10月6、9、13、16日の、いずれも「もやすごみ」と「生ごみ」の収集日に行われる。世帯がまとまって所在し道路幅にもゆとりがあることから同町が検証エリアに選ばれた。
対象の約500世帯の住民のうち実験に協力する人は、収集車で巡回する職員が敷地内に入らなくても手が届く場所に指定ごみ袋に入れた「もやすごみ」や「生ごみ」を出す。
従来通りごみ出しをしたい人や集合住宅の住人のために、地域に設置された集積所である「ごみステーション」での回収も並行して実施される。
市は一連の実験を通じて収集にかかる時間を計測するほか、住民にアンケートを取るなどして課題解決に向けた検討材料にしたい考えだ。
ごみの戸別収集は、長坂市長が2年前の市長選で公約の一つに掲げた。高齢者や子育て世帯といったごみ出し困難世帯が集積所までごみを運ぶ手間を省けることや、集積所の管理を担う自治会の労力軽減が利点に挙げられる。
その一方で、市全域で戸別収集を行うには市が現在保有している収集車よりも多くの車両が必要になる。収集車1台の納期が2年とされる中で、台数確保は容易ではない。
市民の理解をどう得ていくかも課題だ。昨年度の市民意識調査では、ごみの戸別収集に対し約4割が「ごみ収集手数料の負担が不要であっても実施してほしくない」と回答するなど慎重姿勢を示す意見が目立った。
市民が心配する点として調査では、自宅前からごみが回収されるまでの臭いやカラスや動物による散乱、人員や車両など収集経費増に伴う手数料負担、ごみを自宅前に置くことによるプライバシーや防犯面での不安を挙げる答えが多くを占めた。
同市によると、同じ中核市では東京都八王子市や兵庫県尼崎市などが、ごみの戸別収集を導入済みだという。