東三河仕事図鑑 

素の自分に気付いた時 数字が出た

サーラ住宅・小坂井展示場 鈴木信介さん(28)

2012/12/03

鈴木信介さん

 住宅展示場内にあるモデルハウスに常駐。週末を中心に訪れるお客様の応対を入り口に、販売へとつなげる営業職となり6年目を迎えた。

 初回の案内から契約まではおよそ1、2カ月、5~ 10 回の打ち合わせを重ねる。お客様は平均2、3社に見積もりを依頼され、提案されたプランの中から最良のものを選ばれる。ここで選ばれなければ、それまでの手間が水の泡になる厳しい仕事。

 提案にあまり差がない場合、最後は営業マンの良しあしで決まることもあるというから責任は重大だ。

 「大変なことが多い分、喜びも大きい仕事です。上棟式の際、感動で涙を流すお客様の姿に、自分ももらい泣きしそうになったこともあります。ずっと一緒にあれこれ考えてきたので、気持ちはよく分かります」。

「なぜ―」苦労した新人時代

 平日は土地情報の案内や住宅プランの提案、資金相談、契約など、週末に応対したお客様宅を訪問するのが中心となる。ここで、いかにお客様の要望をこと細かく聞き出し、住宅プラン作りに反映させるかが腕の見せどころだ。「このことに気付くまでに、かなりの時間がかかりました」。

 入社後、先輩について行動し、調査や商談の仕方を学んだ。やがて一人でお客様の応対ができるようになり、2年目には営業マンとして一人立ちした。

 しかし、なかなか契約は取れない。

 「押すのもただ闇雲にアピールするだけだった気がします」。小学生の頃、祖母が建築した同社の住宅の機能性の高さに驚いた経験があり、品質には自信を持っていた。だからこそ積極的にPRした。「なぜだめなんだ」という気持ちが募った。

後輩の存在が気付きをもたらす

 入社1年が過ぎ、後輩社員が入ってきた。上司のアドバイスは自分も繰り返し言われてきた「お客様が何に興味を持っているかを考えろ」というものだった。「それを横で聞いているうちに『なるほどな』と思いました」。今まで自分のアピール話ばかりをし、お客様の話をよく聞いてなかったことに気づかされたという。「上司の言葉が本当の意味で理解できました」。

 しかし、それをすぐ実行に移すことはできなかった。むしろその後のほうが苦労した。お客様の前に出ると冷静でなくなる自分。分かっているのにできない焦りが募った。「これ言わなきゃという意識が先に立ち、プランを練れば練るほどアピールが先に立ってしまいました」。

場数をこなし商談のコツをつかんで

 それを解決してくれたのは、たとえできなくてもそのことを意識し続けながら、仕事の場数をこなすことだった。成功体験に学びながら、徐々に商談のコツをつかんでいった。「素の自分を出すことが重要ですね。普段の自分と変わらない自分でお客様と接しているなと気付いた時、自然に数字が出ていました。ここ1、2年のことです」。

 それまで「自分がこうあるべき」だという営業マンの型にとらわれていたのだと振り返る。今はその意識がなくなった分、個性が出せるようになった。「自分は決して商品知識が豊富な『デキル営業マン』タイプではありません。その分、お客様と同じ目線に立って一緒に家づくりを考える。そうすることで多くの人からかわいがられるようになりました」。

 「一人の営業マンとして、やっとスタートラインに立てた感じ」だと現在の自分を位置づける。「ただ数字を出すだけでなく、一人でも多くの人に『あなたが担当でよかった』と言われるようになりたいですね」。

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